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イラク、ISに奪われたラマディ、7ヵ月ぶりに奪還

イラク、ISに奪われたラマディ、7ヵ月ぶりに奪還

Posted December. 29, 2015 07:16,   

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イラク政府軍がイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」(IS)が制圧したアンバル州の最大都市ラマディを7ヵ月ぶりに奪還した。

イラク軍のサバフ・アルヌマニ報道官は27日、AFP通信に、「ISが軍司令部として使っていたラマディの旧政府庁舎団地からISを追い出し、イラク軍が完全に制圧した」と明らかにした。政府庁舎奪還の知らせを受け、イラク市民が通りに出て国旗を振って勝利を祝った。

バグダッドから西に約100キロ離れたラマディは、シリアとバグダッドをつなぐ戦略的要衝地だ。11月初めから始まったイラク軍のラマディ奪還作戦で、約400人のISメンバーが死亡したか、東部に逃げたという。

今回の成果は、イラク政府軍が宗派間の報復戦を避けるためにシーア派民兵隊の支援なく単独作戦によって初めて勝利したという意味で、その意義は大きい。弱体と言われたイラク軍が、今は米軍などの空中支援を受けながらISと同等に戦えるほど戦闘力を回復した。ラマディ奪還に自信を得たイラクのアバディ首相は、ISの別の拠点である北部のモスルも奪還すると意欲を示した。

一方、シリアでもISが首都とするラッカ北部から13キロ離れたティシュリンダムを米国が支援する反政府軍の「シリア民主軍」(SDF)が制圧したと、ウォール・ストリート・ジャーナルが27日付で報じた。

このダムはシリア北部の電力供給源であり、米国と反政府軍がISの首都ラッカへの電気と水道の供給を遮断できるため、大きな戦果だ。英国の軍事情報コンサルティング会社「IHSジェーンズ」は、「今年ISはシリアとイラクで領土の約14%を失った」と報告書で明らかにした。

ISは、シリアとトルコの国境地域の要衝地であるテルアビヤド、イラクのティクリートを奪われたうえ、シリア東部のデリゾールにある原油地帯と精製施設も破壊され、財政的ダメージが大きい。また、ISはシリアのラッカとイラクのモスルを結ぶ高速道路を奪われ、人口150万人のモスルを防衛するための武器や食糧供給先の確保に困っている。

CNNは26日、ISの最高指導者バグダディ容疑者が7ヵ月ぶりに肉声メッセージを公開したことについて、「ISの健在を誇示したかったが、シリアとイラクでの戦線で守勢に追い込まれている状況への絶望的な叫びと言える」と分析した。