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[社説]韓銀の来年の通貨政策緩和の公言は性急すぎた。

[社説]韓銀の来年の通貨政策緩和の公言は性急すぎた。

Posted December. 25, 2015 07:49,   

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韓国銀行(韓銀)は昨日、金融通貨委員会の開催後に発表した「2016年の通貨信用政策運営方向」で、「国内経済の回復ぶりが緩やかで、物価も上昇圧力は大きくないだろうと予測される」として、通貨政策の緩和基調を維持すると明らかにした。米国の先週の基準金利引き上げ後、「今後、漸進的な上昇を追求することになるだろう」と明らかにしたが、韓銀は米国とは違う方向に進むという意味だ。一昨日、韓銀の李住烈(イ・ジュヨル)総裁が、「米国の金利引き上げが、すぐに韓銀の金利引き上げにつながるのではない」という発言の延長線上でのことだ。

韓国経済が不況の暗いトンネルの中に残されている現状の中、景気刺激は依然必要だという主張にも一理がある。1千2000兆ウォンを超える家計負債が「引き金」となっている上、輸出低迷の長期化に内需回復も見込めない難局であることを考慮すれば、拡張的経済政策を続ける必要もあるだろう。しかし、公に来年の基調を「緩和」と釘を刺して、自ら足かせをはめたのは性急だという判断だ。

米国金利引き上げ後、グローバル金融秩序は、先が全く見えない霧の中にある。韓国や中国、ブラジル、ロシアなどの新興諸国は最近、米国が金融危機直後に供給した資金を回収する激変期に、同じ船に乗っている。米国がドルを回収する過程で、とある新興国が危機に見舞われれば、その危機はドミノとなって増幅しかねない。そのような状況では、韓銀だけがいつまでも緩和的通貨基調を固守することはできない。韓国に止まっていたドルが、通貨価値の高い米国に引き潮のように流れ出ることになれば、韓銀も金利を引き上げで、外国資本の裾でも引っ張らなければならない。

緩和的基調を維持できる時間もあまり残されていない。金利政策は先手を打たなければならない。新興国が危機に見舞われる前に、金利を引き上げてこそ資本流出を防ぐことができる。韓銀はかつて、景気を蘇らせると主張して、基準金利を「後手に引き下げ」し、適時を逃したことは何度もある。来年の年明けに新興諸国が危機に見舞われる可能性が今より大幅に増幅し、韓銀が金利引き上げに踏み切れば、「中央銀行があまりにも簡単を言葉を変えた」という批判が出るのは目に見えている。

韓銀はあらゆる可能性を開けておかなければならない。今は、政府の景気刺激の歌にハーモニーを入れるよりは、グローバル資金動向を見極めながら、市場に衝撃を与えず、金を吸収できる妙手を練る時期ともいえる。今回の通貨信用政策の運営方向では、「不確実性に備えて通貨政策を弾力的に運営していきたい」というぐらいで十分だった。政治シーズンを控えて、韓銀があまりにも先走っているのではないか気になる。