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「南極のサンタ」アラオン号が漁船を救助

「南極のサンタ」アラオン号が漁船を救助

Posted December. 21, 2015 07:25,   

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「どんな船舶であろうと救助信号が入れば現場に行かなければなりません。特に国家が運営する砕氷船『アラオン号』が救助するのは当然のことでしょう」

18日(韓国時間)、南極海で39人が乗った韓国船籍の遠洋漁船を救助したアラオン号のキム・グァンホン船長(53)の声は落ち着いていた。ベテラン航海士であるキム船長は、「容易ではない状況だったが、全員無事に救助できて満足だ」と話した。

アラオン号が船舶救助の要請を受けたのは18日午後10時頃。メロ漁船のサンスター号が南極海で流氷にひっかかり、2時間30分が経っていた。サンスター号はメロ漁のためにチリから南極海に航海し、厚さ2メートルの流氷(横15メートル、縦7メートル)に乗り上げてしまった。左舷の船底が流氷に乗り上げ、船が右に13度ほど傾いてしまった。共に漁に出ていたコスター号がひもをかけて引きあげようとしたが失敗した。

南極張保皐(チャンボゴ)基地への物品補給を終えてニュージーランドに向かっていたアラオン号は、事故現場から約240キロ(130マイル)離れたところにいた。海洋水産部から「船が遭難した」と電話で通知を受け、現場に出動することを決め、船首を事故現場に旋回させた。11時間が経った19日午前10時、サンスター号の事故付近に到着した。

流氷に乗り上げた漁船の引きあげは思ったよりも困難な作業だった。乗り上げた流氷だけでなく周辺海域は流氷で覆われていた。ひもを誤って引けば、傾いた船体が周囲の流氷にぶつかって座礁する可能性もあった。砕氷船のアラオン号は現場に到着するとすぐ、1時間30分の間、周囲の流氷を砕く作業を行った。

道があいてから、サンスター号の引きあげに移った。サンスター号の船員が投げた綱をアラオン号にかけ、ジグザグに引っ張った。キム船長は、「そのまま引っ張れば、船と氷が一緒に引っ張られ、引きあげが不可能だ」とし、「雪道にはまった車を引きあげる時、ハンドルを回すのと同じ論理だ」と説明した。航海経験が短ければ思いつかない方法だ。アラオン号は、現場到着から5時間経った19日午後1時10分、サンスター号の救助に成功した。座礁から17時間40分が経っていた。サンスター号は救助後、自力で安全地帯まで移動した。

キム船長は、1985年に韓国海洋大学を卒業して以降これまで船に乗ってきた。アラオン号の船長に選ばれる前は40万トンの鉱石運搬船の船長だった。キム船長は、「様々なタイプの船を指揮したことが今回の救助に役立った。私たちの船が事故付近の海域を航行していたことが幸いだった」と話した。

アラオン号が船を救助したのは初めてではない。2009年12月に初出港したアラオン号は、2011年12月25日にも流氷で閉じ込められて漂流したロシア船舶スパルタ号を救助し、海外メディアから「南極海のサンタ」という称号を得た。