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[社説]関係改善の突破口を開いた韓日首脳会談、ツートラックで接近しなければ

[社説]関係改善の突破口を開いた韓日首脳会談、ツートラックで接近しなければ

Posted November. 03, 2015 07:10,   

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朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相が2日、大統領府で就任後初の韓日首脳会談を行い、過去問題、安全保障、経済など両国間の懸案を話し合った。両首脳は、単独会談と拡大会談を合わせて1時間38分の会談で、「関係改善に障害となった懸案の解決を通じて、未来志向的で互恵的な協力関係を築く」ことで意見をまとめた。3年5ヵ月経って成し遂げた韓日首脳会談が、両国関係を改善するための突破口を開いたという点は評価に値する。

朴大統領と安倍首相は、韓日関係の重要懸案である旧日本軍慰安婦問題と関連して、「できるだけ早期に慰安婦問題の解決に向けた協議を加速させる」ことで合意した。朴大統領が最近、日本メディアとのインタビューで提示した「慰安婦問題の年内解決」の提案に対して、安倍首相は期間を決める代わりに「交渉の加速化」で妥協したと分析される。韓国としては、安倍首相がもう少し前向きの態度を取ってほしいという物足りなさはあるが、両首脳が努力して一定の合意を引き出したことは意味がある。

韓国と日本では、慰安婦問題の解決策に対する認識で少なからぬ温度差があるのが現実だ。本格的な後続協議で両国間の意見の相違が広がる可能性も少なくない。日本政府は、慰安婦被害者の傷を癒し、韓国国民が納得できる解決に向けて誠意ある措置を取らなければならない。それが日本の国益にも役立つ。

経済分野では、米国と日本の主導で先月交渉が成立した環太平洋経済提携協定(TPP)に韓国が参加決定を下す場合、協力することで合意したのが所得だ。これまで過去問題で表に出なかったが韓国の国益に直結する重要な懸案で、両首脳が緊密に意見を交換し、協力策を模索することは、遅ればせではあるが当然の手順だ。

両国は、過去をめぐって対立があっても、北朝鮮核問題や経済、文化協力で手を取り合って進まなければならない。韓国は、慰安婦問題などで問うべきことは問わなければならないが、あまりにも過去に埋没すれば、別の国益を害しかねないことも直視しなければならない。過去問題と安全保障−経済−文化協力といった相互互恵分野を分けて接近する「ツートラック」の戦略的対日外交が望ましい。