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ダッチ・コーヒーの量産技術、ソウル大研究チームが開発に成功

ダッチ・コーヒーの量産技術、ソウル大研究チームが開発に成功

Posted October. 30, 2015 07:15,   

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ダッチ・コーヒー(dutch coffee)とは、冷水や常温の水を一滴ずつ落とし、長時間にわたって抽出するコーヒーのことを指す。そこで「コーヒーの涙」とも呼ばれる。コーヒー粒子の大きさによって違うが、ほとんどの場合12時間をかけて1リットル程度を得ることができる。それほど、貴重なコーヒーだ。

ソウル大学化学生物学部のイ・ユンウ教授チームは先日、1日に1トンのダッチ・コーヒーを量産できる技術の開発に成功した。ダッチ・コーヒーの生産速度を1000倍以上改善したわけだ。イ教授は「1年間実験を行い、コーヒーの抽出に最適な熱、圧力、時間などを割り出した」と述べた。

イ教授は、超臨界物質の研究で知られている。超臨界物質は液体と気体の二つの状態の特徴を同時に持っており、空気のように急激に拡散しながらも他の物質をよく溶かす。例えば、超臨界の二酸化炭素をゴマの小さな隙間から通過させ、油と香りの成分を簡単に溶かした「超臨界ゴマ油」は、一般のゴマ油より色が鮮明で苦みが少ない。

イ教授チームは、ダッチ・コーヒー用の豆にも超臨界技術を取り入れた。イ教授は「コーヒー豆を細かく挽けば挽くほど、『エッセンスオイル』という脂肪成分のために粉同士で貼りつきやすくなる」とし、「超臨界技術を活用し、コーヒー豆から油分だけを全部取り除いた」と話した。

研究チームは、コーヒー豆を15㎛(マイクロメートル=1㎛は100万分の1メートル)水準の微細粒子に粉砕した。これを利用してダッチ・コーヒーを作ると、市販されているダッチ・コーヒー濃度の4、5倍水準の高濃縮コーヒーが得られた。エスプレッソよりは3倍以上濃い。

研究チームが作ったコーヒー粉末は、市販されているインスタントのドリップコーヒーにも使われている。イ教授は「インスタントのドリップコーヒーは凍結乾燥方式で粉末を製造するが、この場合香りが消えてしまうという問題があった」とし、「コーヒーの香りを維持するため、私たちが開発したコーヒー粉末を1〜2%入れた」と述べた。有名アイスクリームチェーン店のコーヒー味アイスクリームにも、同研究チーム開発のコーヒーが使われている。

イ教授は「エスプレッソマシーンの開発者がイタリアの工学者であることからも分かるように、コーヒーと科学は深い関係がある」と話した。



yskwon@donga.com