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[社説]「韓国の安保ただ乗り」の誤解、韓米首脳会談で正せ

[社説]「韓国の安保ただ乗り」の誤解、韓米首脳会談で正せ

Posted October. 15, 2015 07:54,   

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米共和党の有力な大統領選候補で韓国の「安保ただ乗り」を主張するドナルド・トランプ氏に一撃を飛ばしたのは、移民2世の20才の大学生だ。ハーバード大学に在学するジョセフ・チェさん(韓国名チェ・ミンウ)は、「韓国が在韓米軍の駐留費を一切出していないという主張は事実と異なる。韓国は毎年8億6100万ドル(約1兆ウォン)を分担している」と具体的な数値をあげて非難した。慌てたトランプ氏は、「それにしても小金(peanut)だ」と応酬したが、韓国が今年在韓米軍の防衛費分担金として出す9320億ウォンを小金だと卑下することは、事実と大きく異なる。

問題は、「暴言トランプ」の見解に共感する世論が米国に多いという点だ。今年7月、米国の外交雑誌「ザ・ディプロマット」は、トランプ氏は米社会の一部の長年の不満を露にした」とし、なぜ韓国のような裕福な国が同盟にもっと貢献しないのかという問題を提起した寄稿文が掲載された。尹炳世(ユン・ビョンセ)外交長官は先月、国会国政監査で、「中国の戦争勝利記念式の後、米国のメディアで韓国の中国傾斜論はほとんど見られなくなった」と述べたが、米国には韓国が中国を意識して東アジア地域の安保問題に生温いという見方が存在することも事実だ。

しかし、韓国の安保ただ乗り論は、米国が韓国に一方的に恩恵を与えているという誤った認識から出ている。「アジア再均衡政策」を標榜する米国は、在韓米軍を通じて、大陸間弾道ミサイルで米本土まで脅かす北朝鮮の挑発に備え、中国を牽制する戦略的利益を得ている。韓国は、兵器導入の80%を米国に依存するほど、高価な米国製兵器を最も多く輸入する国家だ。韓米連合防衛システムを考慮し、米国製の兵器と装備を集中的に導入した結果であるため、米国としても韓米同盟を通じて得るところが大きい。

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は16日、オバマ大統領との首脳会談で、このような安保ただ乗り論と中国傾斜論に対する米国の疑問を解消しなければならない。韓米同盟の強化に向けて南シナ海をはじめとする地域安保の秩序維持、サイバー安保やテロ対応など、韓国が貢献する部分を議論する必要がある。米国が韓半島の配備を推進する高高度ミサイル防衛(THAAD)システムについても、この機に非公式でも深い議論が必要だ。

さらに、韓国型戦闘機(KFX)開発に必要な核心技術の移転が可能なら、韓米同盟の特別な価値を対内外に明らかにできるはずだ。韓国の国力に合わせて米国主導の世界秩序に貢献し、協力する部分は積極的に応え、米国の協力が必要な部分は勝ち取る「ウィン・ウィン」の実利外交で韓米同盟をグレードアップさせなければならない。