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[社説]国史教科書を手抜き検定した教育部にまともな国定化が可能だろうか

[社説]国史教科書を手抜き検定した教育部にまともな国定化が可能だろうか

Posted October. 13, 2015 07:28,   

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朴槿恵(パク・クンヘ)政府の国史教科書の国定化は、推進計画通りなら高校の韓国史教科書と中学校の歴史教科書が、2017年から国定となる。黄祐呂(ファン・ウヨ)教育部長官は昨日、国定化の強行する理由について、「出版社と執筆陣が作る教科書の間違った内容を一つひとつ訂正する方法では、到底問題の解決にならないという結論に至った」と説明した。国定教科書の開発は、教育部傘下の国史編纂委員会が担当する。

中高校生が学ぶ韓国史教科書は2、3種を除いては、大半が大韓民国の建国過程を貶め、北朝鮮政権に正当性があるかのように記述する左派寄りの問題を露呈している。だが、そのような教科書を取り除く権限が教育部にあるのだから、検定失敗の最終責任は教育部にある。日本でさえ、国が検・認定教科書の具体的な執筆基準を提示し、理想とする教育内容を貫いている。歴史歪曲を巡る議論はあっても、検定体制自体が問題視されることはない。検定体制を運営する教育部が無能なのだ。

国の介入の少ない検定でさえ手抜きする教育部にまともな国定化は可能なのか疑問だ。教育部は、バランス感覚のある、能力を認められた学者に教科書を執筆させるとしているが、果たして上手く行くだろうか。学界では、すでに国定教科書執筆への参加を避けようとする雰囲気まで感じられる。それに朴大統領の任期が終わる2017年をメドにした国定化は、時間的にも余裕がなさ過ぎる。1974年の初の国定教科書の開発に関わった長老の歴史学者の一人は、当時、約2年の執筆期間が与えられたが、時間が絶対的に足りなかったと振り返った。結局、いい加減な学者が時間に追われて書いたいい加減な国定教科書が作られる可能性が高い。

政権が替われば、国定化が維持される保証もない。黄長官は、金貞培(キム・ジョンベ)国史編纂委員長はじめ歴史学界の意見を聞いて、国定化を躊躇ったという。国定化は長官の告示で行われ、最終決定権者は長官だ。閣議決定も長官の副署がなければ効力がないのだから、長官の告示は言うまでもない。いくら朴大統領に背中を押されたとは言え、黄長官には担当長官としての信念を守り切れなかった責任がある。

野党新政治民主連合は昨日、緊急の議員総会を開き、国定化の行政予告を糾弾し、文在寅(ムン・ジェイン)代表など党執行部の7人は、光化門(クンファムン)で街頭デモを行った。野党は予算案審査の中で国定化に当てられる44億ウォンの予算編成を阻止する方針を固めており、通常国会での対立は必至だ。暮らし向きが厳しさを増している中、国定化が労働改革など、あらゆる改革課題を吸い込むブラックホールになりはしないか心配だ。