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歴史教科書の国定化、「独立執筆機構」設置の声高まる

歴史教科書の国定化、「独立執筆機構」設置の声高まる

Posted October. 13, 2015 07:27,   

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政府が2017年1学期から、中学の歴史や高校の韓国史教科書を国定体制に切り替えることが決定したことを受け、歴史教科書を巡る対立が広がっている。政治圏だけでなく、学界や市民社会での議論が続いており、そのため教育現場では不安を感じている。このような状況の中、歴史教科書を巡る議論を根本的に解決するためには、政権の発言、干渉や政治的性向から影響を受けずに教科書を執筆できる独立した執筆機構やシステムを作るべきだという声が出ている。

黄祐呂(ファン・ウヨ)社会副首相兼教育部長官は12日午後2時、政府世宗(セジョン)庁舎で、「歴史教科書発行体制の改善対策」を発表した。黄長官は、「2002年に歴史教科書検定制を導入後、絶えず、誤謬や偏向性を巡る議論が持ち上がってきた」とし、「産業化や民主化を最短時間に成し遂げた世界唯一の誇らしい大韓民国の歴史を、我々の子供たちはきちんと学べずにいる」と、国定化の当為性を主張した。歴史教科書の国定化は、2013年6月、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が就任4か月後、「教育現場の歪曲は必ずや正されるべきだ」と口にしたことから始まった。朴大統領は8か月後の昨年2月、「バランスの取れた歴史教科書」の必要性を再び言及し、教育部は本格的に国定体制への転換を検討し始めた。

同日、教育部は国定化を公式発表したが、実際に、教科書発行までこぎつけられるかどうかまだ確かではない。野党が黄長官の解任建議案の提出を始め、あらゆる手段を動員して国定化阻止に乗り出しており、歴史学者らも、国定教科書執筆拒否署名を次々と打ち出しているなど、反対世論が少なくないからだ。

歴史教科書の対立原因は複合的だが、根本的には現在の検定認定教科書が保守偏向、または進歩偏向的に記されているという認識のためだ。そのため、バランスの取れた歴史教科書を作るためには、保守、進歩性向の学者らが集まって、外部からの干渉や影響を受けず、長期間、討論や議論を経て、教科書を作れるシステムが切実だという指摘が出ている。特に、保守政権か、進歩政権かによって、教育課程や大学修学能力試験、大学入試制度など、教育分野の変化が激しい韓国の特性上、歴史教科書を巡る消耗的論争を食い止めるためには、「独立した歴史教科書執筆機構」を作らなければならないという声が高まっている。



nabi@donga.com