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ニクソン大統領のもう一つのウソ、元WP編集局長の新著で明らかに

ニクソン大統領のもう一つのウソ、元WP編集局長の新著で明らかに

Posted October. 13, 2015 07:27,   

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「我々はラオスとベトナムの空を、十年間制していた。しかし、その結果はゼロ(Zilch)だ。空軍の戦略に、何か問題がある」

ベトナム戦争で米国が屈辱的な敗戦状況に追い込まれていた1972年1月3日。当時のリチャード・ニクソン米大統領(写真)は、ホワイトハウスの安全保障補佐官を務めていたヘンリー・キッシンジャーに、このような内容のメモを書いた。戦況が盛り込まれた秘密文書の上に、横書きに書かれたこのメモは、「2週間以内に原因を探り、俺の机の上に持ってこい」という神経質な指示で終わる。

しかしニクソン大統領はこのメモを書く前日、1時間に渡って行われたCBSアンカー、ダン・ラザーとのインタビューでは、全く違う話をした。ベトナムへの空襲効果を聞く質問に、「結果は非常に、非常に効果的だ」と、正反対の答えを返したのだ。その年の11月に予定された大統領選を控え、ニクソンはベトナム戦の状況を歪曲して伝えることで、選挙に活用したのだ。そしてニクソンは結局、再選を果たした。

「ウォーターゲート事件」により1974年に辞任したニクソンのこの「もう一つのウソ」は、ウォーターゲート事件の特ダネ記者である、ワシントンポスト(WP)紙のボブ・ウッドワード元編集局長の新著「大統領の最後(The Last of the President’s Men)」を通じて公開された。ウッドワードは13日に発売されるこの本で、「(空襲に関する)ニクソンの個人的な評価は正確だったが、再選を果たすためにそれを防御し、強化した」と述べた。

今回、ニクソンにまつわるもう一つの暴露ができるようウッドワードに情報を提供したのは、ニクソンの副秘書室長を務めたアレクサンダー・バターフィールド(89)。同氏はウォーターゲート事件当時、上院聴聞会に出席して、「ウォーターゲートに対する連邦捜査局(FBI)の調査を妨げるよう、中央情報局(CIA)に指示するニクソン大統領の肉声録音テープがある」と暴露した人物だ。

WPが11日に紹介したウッドワードの新著は、46時間にわたるバターフィールドとのインタビューや秘密資料に基づいて執筆された。バターフィールドはこのインタビューで、「ニクソンは復讐に燃え、気が小さく、恥ずかしがりで、編集病のような人間だった」とし、「私の在任時代は、彼とのトラブルで埋め尽くされていた。全てが最悪(cesspool)だった」と話した。

バターフィールドはホワイトハウスの官吏たちが退職したとき、政府の資料を持ち出さないようにする役割を担っていたが、1973年いざ自身が退職する時には、自身と妻の車に秘密文書などをたくさん載せて出てきた。今回の本に紹介されるベトナム空襲文書もその一つで、これまで一度も外部に公開されたことはない。

ウッドワードはバターフィールドの秘密ファイルを見て、衝撃を受けたと振り返った。さらに「全ての歴史と同じように、ニクソンの歴史もまだ終わってはいない」と述べた。



kyle@donga.com