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朴正権発足時、TPPよりも韓中FTAを優先

朴正権発足時、TPPよりも韓中FTAを優先

Posted October. 08, 2015 07:33,   

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米国と日本が中心となった環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋合意したことを受け、韓国が機会を逃したのではないかという論議が起こっている。政界や経済界の一部では、米国が何度も合流を提案した時、政府が中国を意識して消極的な反応を見せ、TPPに好機に参加できなかった批判している。今後参加する場合、高額の「入場料」が避けられなくなったという指摘もある。これに対して政府は、「政策優先順位の問題だった」と反論している。

7日、産業通商資源部や企画財政部によると、米国は2011年から様々なチャンネルを通じて韓国のTPP参加を要請し、2013年初め、朴槿恵(パク・クンヘ)政府発足前にも参加を強く薦めた。しかし、李明博(イ・ミョンバク)政府は韓米自由貿易協定(FTA)に合意して時間が経っていないという理由で、朴槿恵政府は韓中FTAが優先という理由で、消極的な反応を見せた。

李明博政府末期に外交通商部通商交渉本部長を務めた朴泰鎬(パク・テホ)ソウル大学国際大学院教授は、「当時、韓国はTPP参加を宣言した国の多くとFTAを結んでいたので、TPPが最優先課題ではなかった」とし、「韓国のように使用可能な財源が少ない国は『戦場』をいくつも作ることができなかった」と説明した。これと関連して、通商問題の専門家たちは、韓米FTAを批准する過程で、BSE(牛海綿状脳症)問題を経験した李明博政府の「親米政策トラウマ」が強く作用したと分析する。

また、米国の本格的な勧誘があった時は、政権引き継ぎの真っ最中だった。2013年初め、朴槿恵候補の政権引き継ぎ委員会は、外交通商部(現・外交部)にあった通商組織を切り離して知識経済部(現・産業通商資源部)に移す政府組織の改編を始めた。このため、通商政策の変化に関する重要な決定を政府が下しにくかったという分析が出ている。

2013年2月25日に発足した朴槿恵政府も、TPPを最優先課題にしなかった。政権序盤に米国よりも中国との通商に力を入れた。実際、2013年2月末に引き継ぎ委員会が出した通商関連の国政課題で、1位は韓中、韓中日FTAの推進だった。2位は中国が主張する東アジア地域包括的経済提携(RCEP)で、その次がTPPだった。2013年4月、米通商代表部(USTR)のウェンディ・カトラー代表補が再度TPP加入を求めたが、政府は受け入れなかった。企画財政部関係者は、「当時は米国とすでにFTAを締結し、日本のTPP参加が表面化していなかったため、韓中FTAの推進が優先課題だった」とし、「もし韓国が初期にTPP加入を宣言したなら、韓中FTAは実現しなかっただろう」と強調した。

複数の通商官僚によると、当時、政府内では2013年7月に日本が公式に参加を宣言したが、TPPが短期間に合意には至らないとする見方が優勢だった。しかし、FTAで後れを取っていた日本がTPPで形勢を逆転させる状況を予想できたにもかかわらず、韓国政府が安易に対応したという指摘が多い。与党内部ですら「通商の大勢が国家間の『メガFTA』に変わっているのに、韓国は2国間FTAだけに没頭した」と批判している。与党セヌリ党の沈在哲(シム・ジェチョル)議員は同日、最高委員・重鎮議員連席会議で、「1対1のFTAにこだわり、大勢である多国間FTAを逃したことは通商戦略の失敗だ」と批判した。

しかし、機会を逃したことが責任論に広がることは、国際社会での韓国の交渉力を落としかねないため警戒しなければならないと専門家たちは指摘する。通商交渉本部長だったセヌリ党の金宗フン(キム・ジョンフン)議員は、「韓中FTAを国会が速やかに通過させ、TPPにも積極的に参加しなければならない」と述べた。