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オバマ大統領の「TPP疎通」がうらやましい理由

オバマ大統領の「TPP疎通」がうらやましい理由

Posted October. 08, 2015 07:34,   

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環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋合意した翌日の6日(現地時間)、米国のオバマ大統領はホワイトハウスの執務室でラジオ番組とのインタビューから始めた。合意直後に声明を出し、「中国が国際経済秩序を築くことはできない」とし、TPPがアジア再均衡政策の強化に向けた布石であることを明らかにし、多少複雑な内容を国民の目線に合わせて説明した。

オバマ大統領は、「参加国が為替操作をどのように測定し、何が為替操作に当たるのか原則を作った」と紹介するところで多少難しくなると、例を挙げて、「ベトナムが突然米国の労働基準を受け入れることはないが、米国によってベトナムは初めて児童労働や強制労働を禁止しなければならないことを同意した」と説明した。

オバマ大統領は農務省を訪れ、農業界のリーダーと会い、「TPPが米国の労働者や実業家、農夫、牧場主に良いことであるという確信がなければ、協定文に署名しない」とし、TPP合意を不安に思う一部の農業分野従事者を安心させた。翌日の7日午後には、ホワイトハウスでミッシェル夫人と「労働者たちとの対話」を行い、TPPが米国の労働市場に及ぼす影響を説明する予定だ。この「対話」は、インターネットを通じて米国全域に中継される。オバマ大統領の「TPP広報」がひときわ目立つのは、韓国政府がTPP合意後に見せた態度のためだ。合意前から一部で「韓国も参加すべきだ」という指摘があったが、政府は2013年に「関心表明」をした後、何の反応もなかったのに、いざTPPが合意すると慌て出した。崔鍫煥(チェ・ギョンファン)経済副首相は6日、国会国政監査で、「公聴会などを経てどんな形であれ参加の方向で検討する」と言ったが、国民はなぜこれまで政府が決定を先送りしたのか、なぜ突然参加すると言い出したのか、損益は何なのか、疑問は一つや二つではない。

一部ではすでに韓国はTPP12ヵ国のうち10ヵ国と自由貿易協定(FTA)を履行・協定履行待機中であり、TPPの規範がFTAより低い水準なので、韓国が憂慮することはないという指摘も出ている。本当にそうなのか説明を聞きたい。

韓米の国政運営の方式と文化が違うため、主要アジェンダの国民への説明を単純に比較することはできない。ただ、TPPが米中の覇権争いの象徴であり、韓国の経済領土に大きな影響を及ぼす事案であるにもかかわらず、最小限の国民との意思疎通なくTPP問題をあまりにも簡単に扱うようで残念だ。



ddr@donga.com