Go to contents

[オピニオン]江南駅での「税金補助タクシー」

[オピニオン]江南駅での「税金補助タクシー」

Posted October. 03, 2015 07:24,   

한국어

「ブルグム(燃える金曜日)」を満喫するのに、ソウル江南(カンナム)駅や弘益(ホンイク)大学入口ほど、ふさわしいところはない。ネクタイを外した会社員たち、「新品」で身を固めたお洒落な女性たち、この瞬間だけは就職の悩みを忘れられる大学生たち、映画館を訪れたデートカップルなどで人だかりができる。しかし、その楽しみはここまで。帰宅戦争が「ブルグム」の楽しさを一気に台無しにしてしまう。特に、タクシー拾いは空の星を取ることほど不可能に近い。

◆深夜タクシーの乗車難を解消するため、ソウル市が金曜日に江南駅で乗客を乗せるタクシーにインセンティブを提供することを決めた。午後11時〜午前2時に、江南駅周辺のハッピーゾーン(タクシー専用乗り場)で客を乗せれば、1件当たり3000ウォンの補助金を出すという。ソウル市議会は先月18日、ソウル市が深夜時間帯の乗車難解消向け事業に予算を使えるよう、タクシー基本条例の改正案を可決させ、今月末から試験的運営に入る。予想予算は、江南駅だけでも毎年1億8700万ウォンほどとなっている。

◆江南駅でのタクシー乗車拒否は悪名高い。「空車」のサインを灯したまま、乗客を選んで乗せ、同じ方向の客の乗合を露骨に強要する。先月、ソウル市が提出した国政監査資料によると、2012年から今年8月まで、乗車拒否で摘発されたソウル市のタクシーは、計4万5750件だが、その場所は、弘益大学入口や江南駅、鐘路(チョンノ)の順だった。タクシー運送事業の発展に関する法律施行令によると、乗車拒否で初めて摘発されれば、罰金20万ウォン、2度目は30日間の資格停止と罰金40万ウォン、3度目は「三振アウト」で資格取り消しに60万ウォンの罰金を払わなければならない。しかし、実際、罰金が科せられたケースは10%に過ぎなかった。ソウル市が乗車拒否タクシーを取り締まって処罰するどころか、税金で支援するなんて、あきれるばかりだ。

◆ソウル市は一時、金曜深夜12時以降の江南駅でのタクシー乗合を認めることについても議論した経緯がある。しかし、性的犯罪防止のために同性同士の乗合だけを認めることは実効性がなく、世論の反発も激しかったのであきらめた。深夜タクシーの乗車難は、需要と供給とが一時かみ合わずに起きる問題であり、血税で3000ウォンずつを支給する「小細工」で解決できることではない。税金はこんなところに使うものではない。

鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com