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電子書籍の「半値時代」が迫る?

Posted September. 21, 2015 07:02,   

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「電子書籍の価格をそろそろ値下げできるのではないでしょうか?」、「今もそれほど高くはありません。適切な価格だと思います」

最近、電子書籍の価格を巡り、読者と出版社との間で論争が繰り広げられている。とある新刊小説の電子書籍が紙本の半値で売られたことが、議論がきっかけとなったのだ。。

10日に発売された小説家・金辰明(キム・ジンミョン)の「文字戦争」の電子書籍バージョンが、紙本の定価の半値の7000ウォンで売られている。有名作家の新刊電子書籍が半値で売れることは、今回が初めてだ。この本を出したセウム出版社は、「半値での販売は、若い読者層や電子書籍市場の拡大を狙ってのことだ」とし、「金作家の前作『サード』の電子書籍が1か月間売れた冊数と、『文字戦争』の電子書籍が1週間売れた冊数とは、あまり差がないほど反応がいい」とコメントした。

現在、国内電子書籍の1冊当たりの価格は、紙本の70%レベルだ。読者たちは過度に高いという立場だ。会社員のキム・ジェソンさん(40)は、「紙本のように所蔵することもできないし、中古本として売ることもできないのに、価格が過度に高い」と話した。韓国消費者院が2月、国内読者500人を対象にアンケートを行った結果、「電子書籍の価格は、紙本の39.2%ぐらいが適切だ」という回答が出た。

しかし、出版界の考え方は異なる。とある出版社の代表は、「『知識の値段』というものがある。まして、電子書籍の著者の印税は17〜25%ほどと、紙本の印税(10%前後)より高い」と語った。イエス24のキム・ビョンヒ図書事業本部長は、「海外でも電子書籍は普通、紙本の新刊の70%レベルだ」と主張した。

実際、電子書籍を作るコストはどう算出されるだろうか?まず、定価1万ウォンもの紙本の製作費の構成を見れば、著者印税10%、製作費15%、流通費10%、人件費10%、出版社の利益10%などを合計して、6000〜7000ウォンで出庫価格が決まる。その後、本屋では1万ウォンで売れるのだ。

一方、電子書籍はスクリーンで見やすいように変換する過程で追加製作費がかかるが、流通や人件費など、紙本に比べ、価格を減らせる部分が一際多い。匿名を求めたとある出版社の編集者は、「正直に言えば、今より一段と安い値段で出すこともできるが、紙本がくいこまれることも懸念されるので、簡単に値下げに踏み切れないのが現状だ」と耳打ちした。

しかし、国内出版市場の低迷を考慮すれば、電子書籍の活性化が切実だという声が高い。米国の場合、出版市場の30%ほどを電子書籍が占めているが、国内では出版市場の1〜2%に過ぎない。編集文化実験室のチャン・ウンス代表は、「米国などの海外を見ても、電子書籍の紙本の代替効果は思ったより低い」と言い、「紙本市場が食い込まれても、ここから得られるビジネスチャンスが一際大きいだけに、定額制やレンタル制など、様々な電子書籍サービスを通じて、市場を活性化させていかなければならない」と主張した。



zozo@donga.com