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[社説]中国の国威発揚を誇示した軍事パレードと朴大統領の選択

[社説]中国の国威発揚を誇示した軍事パレードと朴大統領の選択

Posted September. 04, 2015 07:37,   

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3日、中国・北京の天安門広場で開かれた「抗日戦争および世界反ファシスト戦争勝利70年」記念行事は、「経済大国中国」が軍事力を内外に誇示した歴史的な場面として世界が記憶するだろう。中国は、核弾頭を搭載して米国本土に到達できる大陸間弾道ミサイル「東風31A」と米太平洋航空母艦戦団に脅威となる「航空母艦キラー」新型中距離弾道ミサイル「東風21D」など、自国産の最先端兵器を公開した。1万2000人の兵士が一糸不乱に動く史上最大規模の軍事パレードを49ヵ国約60人の外国の指導者が天安門の城楼で参観した。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領も習近平国家主席の右側、ロシアのプーチン大統領の隣でこの光景を参観した。

中国は、西欧列強と日本の侵略を受けた屈辱的な過去から立ち上がり、1978年の改革開放後、「韜光養晦」(力を隠して時を待つ)の時期を経て、ついにG2に浮上した国力と自負心を世界に知らしめた。習近平主席は、「中国は世界平和のために献身し、覇権主義に追従しない」とし、「中国軍の規模を30万人削減する」と宣言した。中国の軍事的膨張に対する国際社会の憂慮を意識した発言だが、西側ではむしろ軍事力の現代化に拍車をかけるという宣言と受け止める。

浮上する中国、指導力を再構成する米国、普通の国を追求する日本、返り咲きを望むロシア、そして不安定な北朝鮮。亜洲(アジュ)大学のキム・フンギュ教授は、東アジアの国際政治をこのように表現した。中国が経済規模で米国を追い越すと予想される2020年ごろから、米中の国防費規模が同規模になる2030年中盤まで、G2は戦略的競争と協力を追求すると予想される。日本が米中葛藤の隙に国益を得て「戦争のできる国」に生まれ変わるなら、韓国は北東アジアを和解と協力に導く役割を果たすこともできるだろう。韓国史上初めて天安門の上で中国軍の査閲を受けた朴大統領の姿に世界が注目する理由だ。記念行事前日の2日は、日本が太平洋戦争の降伏文書に署名し、第2次世界大戦が終わって70年になる日だった。米国のオバマ大統領は同日、「太平洋戦争の終戦で新たな章が開かれた日米関係は、和解の力を示すモデルだ」という声明を発表した。一方、習主席と13回目の首脳会談を行うプーチン大統領は、「アジアに第2次世界大戦の結果を覆そうとする国がある」と日本を非難することで、堅固な日米同盟に中露の新蜜月時代が対抗する場面を演出した。

朴大統領は伝統的な韓米同盟に劣らず戦略的協力パートナー関係である中国との友好増進も重要だという現実的な判断によって、北京を訪問する決断を下したのだろう。しかし、米国の核心同盟である韓国が中国に傾き始めたという中国傾倒論が現実化することで誤解を受ける素地もある。北朝鮮核問題の解決と韓半島の平和的統一のためにも、中国の建設的な役割が必要なため、朴大統領はグローバル自由主義的国際秩序の下、国益のための外交の正当性を友好国に積極的に説明する必要がある。

抗日戦争勝利70年記念行事は、変化する中朝関係を露にした。過去、金日成(キム・イルソン)主席が2度も毛沢東元国家主席の隣で軍事パレードを参観した天安門の城楼に、今度は崔竜海(チェ・リョンヘ)労働党書記だけが一列目の端に立った。参加しなかった金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は、朴大統領が習主席と首脳会談を行い、軍事パレードでも礼遇を受ける姿を見て、色あせた中朝関係に隔世の感を感じたことだろう。韓中首脳が一致した6者協議再開に応じて核を放棄する現実的な判断を下すことで、北朝鮮も孤立から脱しなければならない。

今年末までは首脳外交シーズンだ。今月末には米中首脳会談が、来月16日には韓米首脳会談がそれぞれ開かれる。10月末頃には韓中日首脳会議がソウルで開かれ、これを機に朴大統領と安倍晋三首相との初の首脳会談も実現するものと予想される。また、東アジア首脳会議(EAS)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議など多国間会議も相次ぐ。朴大統領が韓米同盟と韓米日協力体制を堅固にし、歴史歪曲問題で凍りついた韓日関係を修復する良い機会だ。主権国として堂々と国益を図りつつ、同盟との価値共有も重視して北東アジア外交を主導しなければならない。

朴大統領は、習主席の豪華な祭りのムードづくりのための客人に終わらず、韓国外交の新しい地平を開くには、これからが重要だ。外交負担にもかかわらず記念行事に出席したことによる損益計算がプラスになることを国民は期待している。