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海岸に打ち上げられたシリア難民男児の遺体

海岸に打ち上げられたシリア難民男児の遺体

Posted September. 04, 2015 07:13,   

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赤いTシャツと青い7分丈のズボン姿の男児が、海岸にうつ伏せになっている。3、4才ぐらいか。カキ採りに行った母親を待って、海が奏でる子守唄で寝てしまったのか。だが、白く砕け散る波が黒い髪の毛を濡らし顔まで濡らしても、目を覚ますことはない。

「島の家赤ちゃん」という韓国の童謡の主人公のようなこの男児の写真に、欧州大陸が衝撃を受けた。2日、トルコのリゾート地ボドルムの海岸で発見されたシリア難民の男児の死体写真だ。トルコの救助隊員が撮ったこの写真はソーシャルメディアに掲載され、「漂流した人道主義」(Flotsam of Humanity)というハッシュタグとともに急速に拡散した。

人権監視センターのナディム・フリ事務副総長は、「波にゆれるこのシリア男児の姿は忘れることができない」とし、「集団難民救助の努力の最大の失敗だ」とツイッターでつぶやいた。あるトルコ人は、「(写真の中で)人間は目にしたが、人間性は目にすることはできなかった」とし、「世界は恥ずべきだ」というメッセージを残した。

英紙ガーディアンによると、この男児はシリア北部のコバニ出身のアイラン・クルディ君(3)だ。コバニは、「イスラム国」(IS)とシリア反政府軍の間に激しい攻防戦が繰り広げられた悪名高き戦場だ。今年初め、耐えかねて故郷を離れたクルディ君家族は、最近トルコで小型ボートに乗ってギリシャのコス島に向かったが、ボドルムの海岸付近で船が転覆する事故に遭った。クルディ君家族を含む3人を乗せた小型ボート2隻が転覆し、男児5人を含む12人が死亡した。クルディ君の兄のカリブ君(5)も死亡した。

胸が痛むクルディ君の死体写真は、「難民問題」を頭の痛い問題と扱ってきた欧州の良心を目覚めさせた。英国のインディペンデントは、「海岸に打ち上げられたシリア男児の写真が、難民に対する欧州の態度を変えることができなければ、いったい何が変わるだろうか」と嘆いた。ハフィントン・ポストは、英国のキャメロン首相に対して、「デーヴィッド、何かして下さい」というタイトルをつけた。スペインの日刊紙エル・ムンドはホームページに「欧州の溺死」というタイトルと共にクルディ君の写真を載せた。イタリア日刊紙ラ・レプッブリカも、「全世界の沈黙に対する写真だ」と伝えた。

国際移住機関(IOM)によると、今年8月末までに地中海を渡って欧州に流入した難民は35万人を超え、地中海を渡って死亡した難民は2643人にのぼる。



confetti@donga.com