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[オピニオン]北東アジア時代の漢字教育

[オピニオン]北東アジア時代の漢字教育

Posted August. 26, 2015 07:18,   

한국어

とある国語国文学科の教授が、教え子15人に自分の学校名を漢字で書かせたところ、9人がきちんと書けなかった。2011年、成均館(ソンギュングァン)大学の李明學(イ・ミョンハク)教授が、ソウル市民を相手に、子供の名前を漢字で書かせたところ、30代の62.8%がきちんと書くことができなかった。英語でできたラップの歌詞を口ずさむことができ、ネット上での英語検索に慣れている若者たちであるほど、漢字は暗号に過ぎない。小学校で漢字を習ったことのないハングル世代が、成人してからもコミュニケーションに困難を覚えているのだ。

◆現在、漢字教育は中高校で1800字を習う。2009年に改正された教育課程に基づいて、小学校3年生以上の道徳や社会、数学教科書には、一部漢字語が併記されているが、小学校の漢字授業は自主的に行うようになっている。ハングル単語の70%が漢字から由来している現状の中、ハングルだけでは意味が伝わらない場合が多い。もっと大きな問題は、ハングル専用が児童生徒の語彙力や思考力の貧困へとつながっていることだ。漢字の実力の差は、学年が上がるほど学力差へとつながるケースがごまんとある。

◆教育部が専門家で構成した国家教育課程改正研究委員会が24日に開催した「小学校漢字教育の活性化のための公聴会」で、キム・ギョンジャ委員長は、小学校教科書に漢字を表記する4つの案を提案した。括弧の中に漢字を併記したり、本文の隣の余白や脚注に漢字を表記する案だが、いかなる方式であれ、教科書を通じて漢字教育を強化するという。表意文字の漢字は、その特性上、字を覚えればその文字に含まれている歴史的、文学的、哲学的脈絡をすべて覚えることができ、国語実力を向上させるのはもとより、世界を理解するのにも役立つ。

◆ハングルだけでも不便がないのに、なぜ、学習負担を増やすのか、漢字を併記するのか、というハングル専用論者の反対は少なくないが、世論は漢字教育に肯定的だ。李明博(イ・ミョンバク)政府の世論調査で国民の89%が賛成した。北東アジア時代の浮上が主な変数となっている。韓中日は漢字文明圏であり、基本的な漢字だけを知っていれば、三国間ではコミュニケーションが可能となる。今や事大主義のコンプレックスを脱ぎ捨て、漢字教育を前向きに検討する時期に来ている。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com