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[社説]「解雇が可能になれば正社員が増加」をイタリアが示した

[社説]「解雇が可能になれば正社員が増加」をイタリアが示した

Posted August. 13, 2015 07:29,   

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財政赤字に苦しんでいるイタリアの雇用市場が好転している。欧州で経済劣等生扱いを受けているPIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)国の一つであるイタリアで、今年上半期に新たに正社員となった人は計95万2000人。また、非正規職から正社員に切り替えられた労働者は33万1000人もいる。正社員雇用が全体雇用で占める割合は、昨年の33.6%から40.8%へと伸びた。「イタリア改革の旗手」と呼ばれている40代のマッテオ・レンツィ首相が、1年間進めてきた労度改革の結果だ。

これまで、イタリアでは企業主が、「正当な事由無しに」労働者を解雇することはできなかった。しかし、レンツィ首相が推し進めてきた「雇用法案」が3月から施行されたことを受け、経営上の理由で労働者を解雇できるようになった。すると、企業各社は正社員を採用し、高級スポーツカーメーカーのランボルギーニは、ボローニャ地域に古城建設を決めるなど、雇用が増えている。

韓国も同様に低成長や「終身雇用お墨付きの正社員」などによる青年雇用絶壁が深刻な状況だ。労働市場の改革を議論するための委員会だが、開店休業状態となっている労使政委員会は最近、キム・デファン委員長が復帰して、再始動をかけている。しかし、キム委員長は復帰直後、「低成果者の解雇や就業ルール不利益の変更など、重要焦点となっている2つの議題を、政府が独断で推進することがないように努める」と語った。労使政委を離れている韓国労総は、この二つの議題を外さなければ、労使政には戻らないという立場だ。キム委員長の発言が韓国労総に復帰名分を与えるためのものとはいえ、このような前提条件を付ければ、意味ある進展を期待するのは難しい。

韓国の労働市場は、市場変化や企業の都合、労働者の成果による雇用の柔軟性が大変低い。企業各社は一度雇えば、一生責任を取らなければならない負担感のため、新規正社員の採用に二の足を踏み、非正規職だけを増やしてきた。来年から定年が60歳に引き上げられれば、雇用委縮はさらに深刻になるだろう。労働界は、労働改革に反対ばかりせず、若い世代と韓国経済の再生のために、大局的に参加しなければならない。