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[社説]「地雷挑発」の北朝鮮と防げなかった軍首脳部は断固報復し問責せよ

[社説]「地雷挑発」の北朝鮮と防げなかった軍首脳部は断固報復し問責せよ

Posted August. 11, 2015 07:19,   

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今月4日、京畿道坡州(キョンギド・パジュ)付近の非武装地帯(DMZ)内で捜索作戦を行っていた韓国軍の2人の副士官が、北朝鮮軍が埋めた木箱地雷を踏み、足と足首を切断する重傷を負った。北朝鮮軍が軍事境界線を440メートル下り、韓国軍が偵察の時に利用する鉄柵通門の周辺に3つの地雷を密かに設置したと推定される。北朝鮮軍が軍事停戦委員会の許可なく軍事境界線を越えて人命殺傷用の地雷を埋めたことは明白な停戦協定違反だ。韓国軍は北朝鮮に、「苛酷な代価を払うことになるだろう」と警告し、10日午後、事故地域で対北朝鮮心理戦放送を再開した。

昨年末から北朝鮮がDMZ内で地雷を埋める動きがあったにもかかわらず、韓国軍は十分に備えることなく、またしてもやられてしまった。北朝鮮は、2010年3月の哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没、同年11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃、2014年の無人機侵入に続き、今回の地雷挑発まで、韓国軍の弱点を巧妙に突いている。陸海空はもとより地面の中まで攻められていないところがない。にもかかわらず韓国は一度も報復をまともにできなかった。武器と軍事装備が劣勢というわけではないが、警戒からしてお粗末なことが少なくなかった。2012年の「ノック帰順」と今年6月の「1泊帰順」にしても、北朝鮮軍が帰順したから良かったものの、韓国軍を奇襲する考えだったなら、惨劇が起こっただろう。

韓国軍はこれまでにも兵営内の苛酷行為や性暴力事件、防衛産業不正などで厳しい叱責を受けた。規律が崩壊し、戦闘態勢も備えていない軍は、有事の際に国民の生命と財産を守ることはできない。韓民求(ハン・ミング)国防部長官と安保指令塔の金寛鎮(キム・グァンジン)大統領府安保室長は、今回の事態の責任を負わなければならない。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領も、いつも彼らをかばって肩を持っていたことで今回の事態を招いた。

地雷挑発翌日の5日、朴大統領は京元(キョンウォン)線復元起工式に出席し、「DMZが南北住民だけでなく世界の人の『夢が叶う地帯(Dream Making Zone)』に変貌するだろう」と述べた。洪容杓(ホン・ヨンピョ)統一部長官は、離散家族と金剛山(クムガンサン)観光について話し合う高官級会談を9月15日以前に開催することを提案する書簡を金養建(キム・ヤンゴン)労働党対南秘書宛に送ろうとしたが、北朝鮮側が受領を拒否した。北朝鮮が重大な挑発をしたにもかかわらず、何が起こったのかも分からず和解協力を語る政府が、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の目にどのように映っているのか、ため息だけが出る。事件当日、現場の捜索隊員の毅然とした姿と戦友愛、使命感から、希望の端緒をただ発見することができただけだ。

政府は、今回の挑発に断固として対処しなければならない。韓長官は、「北朝鮮の挑発原点、支援、指揮勢力まで撃滅する準備と練習をすべて終えた」と言ったことを行動で示さなければならない。朴大統領が政権発足後に初めて起こった挑発にどのように対応するのか、北朝鮮も見ていることだろう。