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[社説]ロッテ家の泥仕合、反企業気運の拡散が懸念される

[社説]ロッテ家の泥仕合、反企業気運の拡散が懸念される

Posted August. 04, 2015 07:21,   

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昨日、日本から金浦(キムポ)空港を通して韓国入りしたロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン)会長が、実兄の辛東主(シン・ドンジュ)日本ロッテホールディングス前副会長との経営権を巡る戦いで議論を起こしたことについて国民に謝罪した。辛会長は空港の入国場で、「事態が早く解決させ、国内外の企業各社を正常化し、発展させるのが私の役目だ」と語った。しかし、辛東主前副会長が公開した父親の辛格浩(シン・キョクホ)総括会長名義の「辛東彬解任命令書」は法的効力がないと、真っ向から対応する意をはっきりした。

ロッテの経営権を巡る大株主一家の争いが、日々泥沼化しており、批判の世論が高まっている。申東主前副会長側は、「次男の辛東彬を韓国ロッテ会長に任命したことがなく、許すことなどできない」という辛格浩総括会長の動画を撮影して、各放送局に伝えた。辛東彬会長側は、高齢の父親を利用して、過度な世論狩りを繰り広げている」と反ばくした。

企業経営権の引継ぎ過程で、ロッテ家の争いは、低俗な暴露戦と言論プレーまで加わり、目に余るドラマを展開している。ロッテ株をほとんど持たないオーナー家の親族らが利権に絡んで、敵味方を分けて戦うことも、目に余る。2011年、次男の辛東彬副会長を直接会長職を任命した辛格浩総括会長が、動画でははっきりと、事実と異なる内容を語っていることは、健康への疑惑を膨らませた。

辛東彬会長は、「ロッテは95%の売り上げを韓国で上げる韓国企業だ」と強調したが、財界序列5位の韓国ロッテの経営権の運命は、日本株主らの手によって決まる現実に戸惑うばかりだ。ただ、支配構造問題とは別に、ロッテが韓国に多額の税金を払って、雇用を作っていることに背を向け、国粋主義的雰囲気に流れるのは、警戒する必要がある。

経営権紛争初期に束の間上昇していたロッテ系列会社の株価は、連日下落している。紛争が長引けば、ロッテの格付けも下がる可能性が高く、「オーナーリスク」のため、企業価値も墜落しかねない。財界全体が、反企業気運が広がるのではないかと、懸念の眼差しでロッテを眺めている。ただでさえ、経済が厳しい状況の中、わが韓国経済に強い影響を持つ大手企業各社が今回の事態の影響で委縮すれば、景気をさらに冷え込ませることへの懸念も少なくない。

政治圏では、「国民への裏切り行為だ」とか、財閥改革問題まで取り上げている。外部からロッテを改革すべきだという声まで出てくる羽目になったのは、結局、二人の兄弟の責任が大きい。ロッテグループの経営権は、商法に基づいて株主総会で決めざるを得ない。しかし、二人の兄弟もこれ以上、国民を失望させず、自粛する姿を示すべきだ。