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[オピニオン]キラーロボットの倫理

Posted July. 29, 2015 07:16,   

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映画「アイアンマン」の主人公トニー・スタークは、主人がいる所まで飛んできて自動着用するアイアンマン・スーツだけでなく、敵と自由自在に戦闘可能なロボットも作る。人間に代わって敵と戦うロボットはSF映画でのみ可能なのではない。米国防総省がロボット製作会社と共同開発したロボット「ビッグ・ドッグ」(Big Dog)は、名前のように4本足で重い荷物を積み、険しい地形を行き交い、偵察任務も遂行できる。

◆人工知能(AI)で自ら判断してターゲットを追跡し、攻撃する機能を持つロボットをキラーロボットという。このようなロボットが、米国、イスラエル、英国、日本はもとより韓国でも開発されている。最近、米国のあるロボット専門家が、キラーロボットが現場に投入された例として非武装地帯(DMZ)を挙げ、話題を集めた。三星(サムソン)テックウィン(現ハンファ・テックウィン)が開発したこの偵察用ロボットは、4つの監視カメラで動く物体を識別でき、攻撃武器も搭載しているという。

◆キラーロボットは、暗殺、国家転覆などの特定の任務を遂行しながら、兵士の犠牲を防ぐことができる最適の武器という主張がある一方、子供と軍人を識別できない危険な存在という反対もある。キラーロボットがテロ分子や独裁者などの手に渡る場合、大虐殺が起こる恐れがあるという点は大いに憂慮される。映画「ターミネーター」でAIを持つ主人公のロボットが、人間を理解していく存在として描かれたのは、映画ゆえ可能だった。

◆英国の物理学者スティーブン・ホーキング、「アイアンマン」の実際の主人公であり電気自動車テスラ設立者のイーロン・マスク、アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアックなど世界的な学者、実業家、哲学者1000人余りがキラーロボットの開発禁止を求めた。アイザック・アシモフの小説「ファウンデーション」で作ったロボット3原則は、第1にロボットは人間に危害を加えてはならず、第2に第1原則に反しない範囲で人間の命令に服従しなければならず、第3に第2原則に反しない範囲で自分を保護しなければならないということだった。人間がキラーロボットを作っておいて、ロボットの倫理を悩んでいるとは逆説的だ。問題は、ロボットの倫理ではなく人の倫理ではないだろうか。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com



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