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体制維持で核にこだわる北朝鮮、イラン式制裁の効果には疑問の声

体制維持で核にこだわる北朝鮮、イラン式制裁の効果には疑問の声

Posted July. 16, 2015 07:25,   

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イラン核交渉の妥結には国際社会の強力な経済・金融制裁が大きな圧力となった。国家経済が石油輸出に大きく依存するイランとしては、石油輸出の禁止が国家経済の崩壊を意味する。

同じ経済制裁が北朝鮮核交渉にも有効に作用するだろうか。結論から言えば否定的だ。

すでに北朝鮮は様々な制裁を受けている。06年10月に北朝鮮が初めて核実験をして以降、これまで国連安保理は北朝鮮制裁決議案を5回も出し、制裁指針も32件公示した。しかし、このような制裁で北朝鮮が核を廃棄する可能性は小さい。イランと北朝鮮は政治体制や経済状況などが大きく異なるためだ。

まず、安全保障に対する不安が異なる。イランは核兵器がなくても国家存立が危ぶまれることはない。しかし、北朝鮮は世界最強の米軍・韓国軍と対立しており、核兵器がなければ軍事的劣勢を克服する代案がない。

イランと北朝鮮は政権の形態も異なる。イランは選挙で大統領を選ぶ国家だが、北朝鮮は事実上、世襲終身執権国家だ。大統領選を行うイランは民心を重視せざるを得ないが、北朝鮮は恐怖独裁で民心を統制することができる。

対外貿易の依存度も両国は大いに異なる。イランは原油埋蔵量世界4位、天然ガス埋蔵量世界2位の資源強国だ。しかし、北朝鮮にはこれといった資源がなく、輸出入規模も大きくない。制裁を受けてもいくらでも耐えることができる。むろん現在、北朝鮮は輸出の約半分の15億ドルを無煙炭と鉄鉱石で得ているが、この程度の規模の対外取引は中国だけに依存しても十分だ。

北朝鮮制裁の限界も明らかだ。米国会計検査院(GAO)が5月に上院外交委員会に提出した「北朝鮮制裁報告書」によると、国連加盟国193ヵ国のうち80%の158ヵ国が制裁履行報告書を提出していない。