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[オピニオン]MERS休校は過剰対応

Posted July. 07, 2015 07:11,   

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MERS(中東呼吸器症候群)患者数がぐんと下がり、幼稚園や小中高校の休校事態が昨日で終了した。休校数は6月2日の149校から始まって、12日は2903校でピークに達した直後、地道に減少し、昨日「ゼロ」を記録した。我が社会がMERSショックから脱して日常生活に復帰していることを示す意味では嬉しいシグナルだ。

◆MERSによる休校ははたして適切だったろうか。これまで発生したMERS患者186人のうち、学校はもとより地域社会で感染したケースはただの1件もなかった。その大半が救急室に運ばれてきた患者やその家族、MERS患者を治療して感染した医療陣だった。患者の中でも10代は、三星(サムスン)ソウル病院に入院していた高校生が唯一であり、この生徒も風邪に似た症状を見せたが、間もなく治った。父親と一緒に三星ソウル病院に立ち寄った後、疑惑患者となった京畿城南市(キョンギ・ソンナムシ)の7歳の子供は、6回にわたる検査の結果、最終的に「陰性」判定を受けた。

◆MERS最多発病国のサウジアラビアでも、学校を休校させた事例はない。ソウルで行われた2015世界科学記者大会に出席したサウジアラビアのムハンマド・ヤヒア記者は、「学校閉鎖などの政府の強硬対応は、恐怖を煽る」と話した。世界保健機関(WHO)の合同調査団も、MERS拡散と学校とは関係がないだけに、授業再開を強く勧告した。感染は病院で起きているのに、病院には穴が開き、学校が閉鎖されるのは世界中の笑いものになりかねない。

◆呼吸器疾患や伝染病が出回った時は、休校がその対処策になる。2009年、新型インフルエンザの流行当時、学校の休校が新型インフルエンザの拡散を防ぐのに大きく貢献した。ただ、今回は違う。地域伝播の可能性のないことが明らかになった後も、休校を続けたのは、保護者の不安心理に便乗した過剰対応だ。「MERSに感染することを懸念しているか」と尋ねた先週のギャラップの調査では、「はい」と答えた回答者のうち、最大野党新政治民主連合の支持者(56%)が、与党セヌリ党の支持者(36%)より一際多かった。いわば、「進歩」教育監らがMERS休校を主導した影響のせいだったのか。防疫にも政治色が割り込んだような気がして、後味が悪い。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com