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中国人観光客、運転免許取得目当てに次々と来韓

中国人観光客、運転免許取得目当てに次々と来韓

Posted July. 06, 2015 07:13,   

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先月15日、済州市涯月邑(チェジュシ・エウォルウブ)の済州運転免許試験会場の本館1階。午前9時から試験会場を訪れた中国人40人余りでにぎわっていた。彼らは運転免許を取るため、1週間の日程で済州道を訪れた。彼らを引率したガイド6人は、書類受付を終え、巧みに学科試験や場内の技能試験までを案内した。中国人男性が、「韓国語が全くできないのに、場内技能試験を受けるのに問題はないか」と尋ねると、ガイドは、「非常に簡単なので、いくつかを覚えれば、容易に通ることができる」と安心させた。同日、会場を訪れた中国人たちは、学科試験から場内技能試験までを当日ですべて終えた。

国内自動車運転免許制度が2011年6月に簡素化され、国内で運転免許を取る中国人が大幅に伸びている。警察庁の統計によると、昨年、短期滞在資格で国内で運転免許を取得した中国人は計4662人と、2013年の455人に比べ10倍以上も増えた。その大半が観光ビザで韓国に来て、免許を取得した。

特に、中国人がビザなしで最大30日間滞在できる済州道は、運転免許の取得と観光とを兼ねる「免許観光」の最適地として脚光を浴びている。済州で短期間滞在し、免許を取得した中国人は2013年は17人、2014年は335人、2015年は687人(5月末現在)へと地道に伸びている。

済州道のとある運転専門教習所では、中国語のできる通訳まで雇って、中国人のための教育を手掛けている。中国上海から来たリンズ氏(27、女)は、「1週間で免許を取り、済州道の観光もできるという友人からの紹介で来ることになった」と話した。

中国人は安価で簡単な上、短期間で運転免許を取ることができるため、韓国に詰めかけている。中国では運転免許を取得するためには、短くは45日から長くは6か月以上もかかる。費用も少なくとも7000人民元(約126万ウォン)がかかり、1万元(約180万ウォン)を超えることもある。この金なら、韓国で観光もでき、免許を取ることもできる。中国地方自治体の大半は、韓国の運転免許を公式運転免許として認めており、別途の交通法規の筆記試験のみ通れば、中国運転免許を発給する。

韓国で運転免許を取る中国人が急増すると、中国内では懸念も声も高まっている。「あまりにも取りやすい韓国免許の取得者が増えれば、事故のリスクも高まる」という世論が反映されているからだ。昨年12月、中国政府は、警察庁に公文を送って、「短期間滞在する中国人の韓国内免許取得を制裁してほしい」と要請してきた。警察庁は、現行法上、国内短期滞在者の免許取得を制裁するのは難しいと返信したという。すべての外国人に同じく適用される基準を、中国人だけ例外を設けることはできないという理由からだった。

専門家らは、簡素化した運転免許制度のため、外国人の免許取得が増え、やや間違えれば、韓国運転免許証の国際公信力を落とし、さらに国のイメージに否定的な影響を及ぼしかねないと指摘した。亜洲(アジュ)大学交通システム工学科のイ・チョルギ教授は、「韓運の転免許試験は世界で最も取りやすい免許試験に墜落し、外国人たちが遠征に来る羽目になった」と言い、「このような現象自体が、国際的な恥であり、運転免許制度の強化だけが唯一の解決策だ」と指摘した。