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[オピニオン]韓国人の海洋大統領

Posted July. 03, 2015 07:27,   

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世界最大の保険会社であるロイズ社は、1688年にエドワード・ロイドが英ロンドンに開いた「ロイズ・コーヒーハウス」から出発した。船主がコーヒーを飲みながら、当時損失が大きかった帆船事故の対策について話し合った。保険を中心に海運業が発展し、海事関連の国際機関だけはニューヨークやジュネーブでなくロンドンに集まっている。国際海事機関(IMO)もロンドンに本部を置く国連機関で、船舶の安全と海洋環境の保護を主な目的とする。

◆IMO事務総長に釜山(プサン)港湾公社の林基澤(イム・ギテク)社長が選出された。すでに潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が活躍しているが、亡くなった李鍾郁(イ・ジョンウク)世界保健機関(WHO)事務総長に続き、韓国が2番目に輩出した国連専門機関の首長ということに大きな意味がある。IMOは、WHOや国連食料農業機関(FAO)に劣らず規模が大きな国連専門機関だ。保健専門家や農業専門家でなければWHOやFAOで活躍できないように、海事の専門家でなければIMOのインナーサークルに入ることはできない。

◆林氏は、海洋水産部官僚の中でも珍しくマドロス出身だ。1977年に韓国海洋大学を卒業した後、外航船の航海士として船に乗り、船長の資格も持っている。1986年に海運港湾庁事務官に特別採用された後、循環職務を拒み、海事安全分野一筋で来た。IMOで3年間連絡官を勤め、駐英大使館で3年間IMOの仕事をし、IMO専門家になった。これにより、数十年IMOの仕事をしてきた外国の専門家たちと肩を並べて競争することができた。

◆韓国人が海洋世界の大統領になったことは喜ばしいことだ。与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表も祝いたかったようだ。釜山出身の金代表は林氏と親交があるという。金代表は、「政府が林氏の当選に何の協力もしなかった」と海洋水産部長官を非難した。海水部が反論すると、金代表側は兪奇濬(ユ・ギジュン)長官の就任前のことだと一歩後退した。しかし、林氏の出馬は、現IMO事務総長が健康を理由に再任をあきらめたことで、今年の初めに決定された。良いことには皆が功を競い、不利なことは隠すことに忙しい。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員pisong@donga.com



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