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[オピニオン]珍島犬が軍犬に

Posted June. 30, 2015 09:21,   

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ドイツ産シェパードのオルガは、9年目のベテラン軍犬だ。陸軍で軍服務を終えた後、民間の家庭に引き取られたオルガの話が最近「TV動物農場」で紹介された。オルガと苦楽を共にしたイ・サンモク上等兵が転役式で、「ドックフードだけ食べてきた軍犬なので、突然油っこい物を食べるとお腹をこわします」と引き取り先の家族に話した時、胸が熱くなった。済州島(チェジュド)の新しい家に到着した時、オルガは戸惑った表情だった。部隊で生まれ育ったオルガには見慣れない環境だったのだろう。

◆28日、軍当局は韓国犬である珍島(チンド)犬を軍犬として初めて導入したと明らかにした。忠誠心の強い珍島犬は自分を世話した軍犬兵が転役すると扱いが難しくなるとされる。陸軍はひとまず訓練を終えた後、実戦に投入するかどうか決める方針だ。軍犬の歴史は、1954年に米空軍から軍犬10匹を購入したことから始まった。1968年、1・21武装共産軍大統領府奇襲事件で功績をあげたリンティンと江原道楊口(カンウォンド・ヤング)の第4トンネル捜索に投入されたハントは、武功勲章を受けた。地雷を踏んで爆死し、将兵の命を救ったハントは、史上初めて「少尉」の階級章を受けた。

◆軍犬になるには、子犬の頃に資質評価を経て、障害物訓練から爆発物の探知、空中落下まで特戦司令部に劣らない厳しい訓練をパスしなければならない。軍犬候補生の約4分の1だけが正式の軍犬になれる。現役の軍犬1279匹のうち多くはドイツ産シェパードだ。軍犬は険しい地形を行き来し、捜索、追跡、警戒、探知の任務を遂行する。1個大隊を投入して6時間ほどかかる捜索作戦を1匹の賢い軍犬が2時間で終えてしまう。

◆2011年、オバマ大統領がオサマ・ビンラディン射殺作戦に投入された軍犬を非公開で会って激励するほど、米国では軍犬を優遇する文化が定着している。韓国の場合、2013年の動物保護法改正前まで、老齢や病気、負傷で作戦遂行能力がなくなった軍犬は、安楽死か医学実験用として生を終えた。今年1月、軍需品管理法施行令改正により、軍当局が引退した軍犬を民間に無償譲渡する道が開かれた。国ために献身した軍犬には、名誉ある引退にふさわしく尊重されて残された時間を幸せに過ごしてほしい。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com