Go to contents

[オピニオン]コピノの父親

Posted June. 10, 2015 07:23,   

한국어

今年7歳のカン・ミンジェは、生まれてから一度も父親に会ったことがない。父親は8年前、母親に、「2年間の軍服務を終えてから必ず戻ってくる」と、韓国に行った後消息が途絶えた。その間、母親はバーで働く途中、刑務所に入れられることになり、ミンジェは伯母と一緒に父親を探しに韓国に来た。何とか父親の代わりに祖父に会ったミンジェは、一所懸命に練習した韓国語の挨拶を父親代わりに伝える。「パパ、愛してるよ!」。先月25日に放送されたMBCのヒューマンドキュメンタリー番組「愛」は、父親を恋しがるコピノ(韓国人の父親とフィリピン人の母親の間で生まれた子供)のエピソードを扱った。ミンジェのきれいで優しい黒目に、視聴者らは涙ぐんだ。

◆コピノの父親たちの職業や身分、年齢は多岐にわたっている。現地で事業を手掛けている人も、出張や観光に行った人も、さらには20代前半の留学生や語学研修性たちもいる。共通点は、フィリピン人女性と恋して、同棲するが、子供が生まれれば知らんぷりをして、韓国に帰国して連絡を絶つ。そのようにして見捨てられたコピノは、3万人に上ると試算される。一部の韓国人男性の無責任な行動が、国に大恥をかかせている。

◆水原(スウォン)地裁城南(ソンナム)支院・家事2単独の朱鎭吾(チュ・ジンオ)判事は、フィリピン人女性との間に二人の息子を持った韓国人の男性に、子供たちが成人するまで、毎月養育費として50万ウォンを負担するようにとの判決を、先月28日初めて下した。今月9日は、ソウル家庭裁判所家事3単独の金秀貞(キム・スジョン)判事が、コピノの父親に毎月養育費として30万ウォンを支給するよう判決した。コピノが韓国の裁判所で直接実子確認訴訟を起こし、昨年6月に初めて勝訴したあと、コピノ関連訴訟が相次いでいる。

◆コピノは韓国国籍がなく、多文化家族支援法に基づく保護を受けることができない。日本が、日本人男性とフィリピン人女性との間で生まれたジャピノに対し、日本国籍取得の敷居を引き下げ、就職を支援するように、韓国も、制度的にコピノの面倒を見るべきだという声もある。先日、東亜(トンア)国際金融フォーラムで、米連邦準備制度のベン・バーナンキ前議長は、「少子高齢化による人口減少の対策として、移民者を社会に容易に同化させる政策や文化が必要だ」と語った。韓国人のDNAが入った東南アジア各国のハーフの子供たちに、韓国国籍を容易に取得させる機会を与えることで、父親の罪を償い、経済活力を生かす人的資源になってもらえばいいだろう。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員 eligius@donga.com