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[オピニオン]「MERSはSARSとは違う」と言う大統領

[オピニオン]「MERSはSARSとは違う」と言う大統領

Posted June. 08, 2015 07:24,   

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朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が5日、MERS(中東呼吸器症候群)患者の隔離治療をしている国立医療院を訪れ、「MERSの様相はSARS(重症急性呼吸器症候群)とは異なる」と述べた。朴大統領は、「SARSの場合は、中国や東南アジアにすでに広範囲に広まっていた病気の流入を阻止することだった。今回のMERSは、内国人によって病気が流入し、医療機関での様々な接触を経て感染が広がっている」とし、対応が違わざるを得ないと主張した。

◆朴大統領は、2003年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代のSARSの対応と比較して、現政権のMERS対応を批判する声が高まったため、釈明したようだ。03年には、周辺国にSARSが広範囲に広がっていたので、政府が初期から政府対策チームを設置して対応したが、MERSは遠く中東で発生した病気なので、警戒心が弱いかも知れない。しかし、国内に患者が発生した後も20日間近くコントロールタワーもなく右往左往したことに対して、政府に弁解の余地はない。

◆MERSは国内で患者が発生したのでSARSと異なるという点を強調した発言なら納得できない。03年より緊急であるにもかかわらず、政府の対応レベルがはるかに低いためだ。朴大統領は、死亡者と3次感染者が発生して非常事態に入った2日も、全羅南道(チョンラナムド)の創造経済革新センターを訪れ、平素と変わりなく行動した。朴大統領は、「MERSは、韓国が以前に一度も経験したことがない感染病だ」と言ったが、SARSも同じだ。むしろ、MERSはSARSと似たウイルスであり、12年から知られている病気だ。

◆一歩遅れて防疫現場を訪れた大統領の言葉にはがっかりさせられる。政府の誤りを含め、国家運営に責任を負う指導者の姿を見せるよりも、弁解して他人を非難した。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長がテレビに登場した翌日、突然防疫現場を訪れ、「地方自治体が独自行動をすれば混乱を起こすだけだ」と言ったことを野党出身ソウル市長に対する牽制と見るのは憶測だろうか。4・29再補欠選の直前に「成完鍾(ソン・ワンジョン)ゲート」が起こった時、朴大統領が3年前の大統領選資金のことは知らん振りし、10年前の特別恩赦だけ批判した姿が重なる。

申然鐏(シン・ヨンス)論説委員 ysshin@donga.com



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