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[社説]大統領は評価し、指示ばかりするポストなのか

[社説]大統領は評価し、指示ばかりするポストなのか

Posted May. 05, 2015 07:20,   

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半分にも達していないといわれている公務員年金改革案を巡る与野党合意について、朴槿恵(パク・クンへ)大統領は、「与野党が合意して、当初約束した処理期限を守ったことは意義あることだが、期待していたレベルには及ばなかった」と評した。国民年金の名目所得代替率を50%に引き上げることにしたことについても、「国民の負担が大幅に増えることになるだけに、まず、国民に同意を求めなければならない問題だ」と、まるで、「担任教師が児童生徒の点数をつけるかのように」指摘した。

公務員年金改革は、国会経済や未来の子孫に膨大な影響を及ぼす事案だ。与野党が財政削減の効果も微々たる公務員年金改革案を出しながら、国民年金の保険料を2倍に引き上げる連携案にいきなり合意したため、提灯より柄が太いという言葉まで出ている。履行期間が20年もあるのに、公務員年金と国民年金との長期的統合という当初の目標には近づくことすらできなかった。このような合意に対して、大統領が他人事のように、評価や指摘ばかりをしている姿を目にし、国民は息苦しいばかりだ。

朴大統領は、中南米歴訪後の健康問題で1週間休憩を取った後、昨日、初めて首席秘書官会議を主宰した。朴大統領が病床に臥している間、趙允旋(チョ・ユンソン)大統領政務首席は、与党セヌリ党の指導部との数回の対策会議で、「強力な財政削減効果を引き出すべきだ」と大統領の意思を伝えたが、聞き入れられなかったという。朴大統領は、外国に行く前に党指導部と面談したり、外国に出てからでも電話をかけたり、若しくは国民の前に立って、「後ずさりのできない原則や方向性」についてはっきり示すべきだった。そんな努力もせず、大統領が示した「期限」のみに拘った与党指導部が、野党と野合でもするかのように合意した内容を巡って、後で「論評政治」をするのは、責任ある姿勢ではない。

朴大統領は昨日、「国民を代弁する政治家らが、国民の念願に逆らうのは、個人の栄誉や利益を追求するのと同様だ」という言葉も口にした。聞くことによっては、与野党代表が大統領選挙を睨んで、偽の改革案に合意したという意味に受け止められかねない。実際、政治家は次の選挙のため、利益団体や目の前の票に揺れるポピュリズム政策を追求する達人だ。

金武星(キム・ムソン)代表に続いて劉承旼(ユ・スンミン)院内代表まで、非朴(非朴槿恵)が党指導部を掌握し、李丙鏻(イ・ビョンギ)秘書室長が、「成完鍾(ソン・ワンジョン)メモ」に登場してからは、むしろ党が大統領府を無視しており、与野党交渉を主導する「逆コミュニケーション断絶現象」が現れるほどだ。大統領府がかえって、政府与党協議が適切に行われていないという不満を、党に提起するほどだという。そんな時ほど、大統領は全国民を代弁して、与野党議員や公務員たちを説得し、共感を広めていく幅広い政治をしなければならない。朴大統領が公務員年金のずさんな改革による民心の離反をどう収拾するのか気になる。