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[社説]朴槿恵大統領はなぜ国民向け謝罪を飛ばすのか

[社説]朴槿恵大統領はなぜ国民向け謝罪を飛ばすのか

Posted April. 22, 2015 07:19,   

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中南米を歴訪中の朴槿恵(パク・クンへ)大統領は昨日、李完九(イ・ワング)首相の辞任表明の報告を受けた後、「検察は政治改革のレベルで、しっかり捜査をし、全てのことを明白に解明してほしい」と語った。李首相が関わっている「成完鍾(ソン・ワンジョン)ゲート」について、朴大統領は与野党を問わず、政治圏全体の積弊だと受け止めており、違法資金を受け取った政治家全体に捜査を拡大すべきだという認識を持っている。歴訪前日の15日、旅客船セウォル号関連懸案点検会議の際も、同様の趣旨の発言をした。しかし、検察捜査の前後が朴大統領の意思によって揺らいではならない。

検察は昨日、京南(キョンナム)企業の故成完鍾会長の最側近といわれている京南企業のパク・ジュンホ前常務を参考人の身分で呼んで取り調べを行った。現在、検察の捜査は、李首相や慶尚南道(キョンサンナムド)の洪準杓(ホン・ジュンピョ)知事に集中している。成会長のメモから出てきた8人の多くは、2007年、当時与党だったハンナラ党の大統領選挙候補選びや2012年の大統領選挙の時、「朴槿恵キャンプ」で重要な役割を果たした。「候補選びの資金」として7億ウォンを受け取ったとされている許泰烈(ホ・テヨル)元大統領秘書室長のほか、大統領選挙の際、2億‾3億ウォンを受け取ったとされている与党セヌリ党の洪文鐘(ホン・ムンジョン)議員や劉正福(ユ・ジョンボク)仁川(インチョン)市長、徐秉洙(ソ・ビョンス)釜山(ブサン)市長は、大統領選挙時に組織や資金を取り仕切るポストにいた。野党は直ちに、李首相や洪知事は「小枝」にすぎず、朴大統領と直接かかわりのある大統領選挙の資金や候補選び関連資金について捜査をすべきだと働きかけている。しかし、検察が、「生きている権力」を狙って、きちんと捜査できるかどうかは分からない。

検察の捜査結果、金淇春(キム・ギチュン)前大統領秘書室長と成会長との間に、昨年は40数回、李丙鏻(イ・ビョンギ)大統領秘書室長とも140数回にわたって電話でのやり取りがあった記録が出ている。金前室長は疑惑が浮き彫りになると、「一抹の根拠の無い荒唐無稽なうそだ」と否定しながら、「秘書室長になってから、成会長に会ったことなど無い」と主張した。しかし、金前室長と2013年11月6日に夕食を共にしたという成会長のスケジュール表が公開されると、氏は、「忠清道(チュンチョンド)議員5人と夕食を共にした」と言葉を変えた。

朴大統領は、李首相の辞意表明について、「大変残念であり、首相の悩みが感じられる」と語った。国民の苦悩を察する前に、不正容疑がもたれている首相から先に気にするのは、正しい順番ではない。今回の疑惑は、朴大統領が行った選挙と直接関係がある。にも関わらず、他人事のように語るから、「体外離脱の話法だ」という批判が出ている。

朴大統領は15日、検察捜査について言及する時も、自分の大統領選挙や候補選びの資金についてははっきり触れなかった。骨身を削る気持ちで、自分の側近に関わる事項から先に捜査するよう、検察に要求する必要がある。成会長から賄賂を受け取った野党圏の関係者への捜査はその次ぎだ。大統領府は、検察捜査については報告など受けてはならない。検察の捜査が国民から信頼を得なければ、朴槿恵政府は絶体絶命の危機に立たされるかもしれない。