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[社説]セウォル号遺族の悲しみを利用して対立を助長する勢力

[社説]セウォル号遺族の悲しみを利用して対立を助長する勢力

Posted April. 18, 2015 07:20,   

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旅客船セウォル惨事の1周年を迎えた一昨日、ソウル都心はデモで染み付いた。ソウル市役所前の広場では、セウォル号惨事国民対策会議の主宰で、1周年の追悼祭が行われ、1万人(警察試算)が参加した。参加者らは、追悼祭が終わった後、大統領府に向かって練り歩こうとしたが、警察と対立した。都心周辺では散発的なデモが深夜0時過ぎまで続いた。

これに先立って、セウォル号家族協議会や国民対策などで構成された4.16連帯は、京畿安山市(キョンギ・アンサンシ)の合同焼香所で開く予定だったセウォル号1周年の追悼式を取り消した。珍島(チンド)の彭木(ペンモク)港に下りていった遺族らは、朴槿恵(パク・クンへ)大統領が彭木港を訪れるというニュースに、焼香所を一時閉鎖した。安山合同焼香所を訪れた李完九(イ・ワング)首相や与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表、劉承旼(ユ・スンミン)院内代表は、遺族らに阻止され、きびすを返した。悲しみを一緒に分かち合うべきのセウォル号1周期の会場には対立や不信のみみなぎり、残念でならない。

セウォル号家族協議会や国民対策会議が主張しているのは、「セウォル号の即刻引き上げ決定」や、「セウォル号特別法施行令案の廃棄」だ。朴大統領は16日、彭木港で、「必要な手続きを迅速に進め、できるだけ早く船体引き上げに乗り出す」と繰り返して約束した。セウォル号特別法施行令についても、遺族らの意見を受け入れて、施行令案を見直すよう指示した。にも関わらず、直ちに引き上げ決定を下すべきだと詰め寄ることや、施行零案の修正は待てないというのはこじつけに他ならない。

参与連帯のイ・テホ事務所長とソウル市人権委員会のパク・レグン副委員長が共同運営委員長を引き受けている国民対策会議は、週末の18日、都心で、「セウォル号引き上げや真相解明を促す汎国民大会」を開く計画だ。朴槿恵政府は、技術的な検討さえ終われば、費用がどれほどかかっても引き上げるという決定をすでに下している。セウォル号の事故原因の調査もやるだけのことはやった。にも関わらず、何が足りず、引き上げを促し、どんな真相解明を要求しているのか、その腹を疑わざるを得ない。遺族の悲しみを利用して、不要なデモで社会の対立を助長しようとしてはならない。