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[社説]進化する日米同盟、韓国は傍観しているのか

[社説]進化する日米同盟、韓国は傍観しているのか

Posted April. 11, 2015 07:10,   

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10日、韓民求(ハン・ミング)国防長官との会談を終えた米国のカーター国防長官に韓国の記者団が最初に尋ねたのは、高度ミサイル防衛システム(THAAD)の韓半島配備問題だった。カーター長官は、「THAADはまだ生産中なので配備を議論する段階ではなく、会談の議題にも含まれていない」と話し、韓国国民を安心させた。カーター長官は、米国が日本の側についているという韓国の不安を意識したのか、「アジア地域の歴史問題がどれほど敏感な事案か十分に承知している」とし、「当事国間の和解と治癒を通じて解決できることを願う」と述べた。

しかし、カーター長官は、THAADに関する直接的な言及は避けたものの、実際の訪韓目的を示唆する発言をした。カーター長官は、「韓半島の抑止力と準備態勢はただで与えられるものではない」とし、韓半島とアジア太平洋の安全保障のための先端戦力の配備計画を強調し、「そのためにこの地域との同盟関係が米国のアジア再均衡政策の核心的役割を果たすのだ」と主張した。韓国がTHAADにだけ関心を注いでいる間に、米国はアジアの勢力均衡のために「類例のない強力な」日米同盟を構築し、ここに韓国を入れて韓米日三角同盟を強化することを見計らっている状況だ。

米国と日本は27日、ワシントンで安全保障協議委員会を開き、日米防衛協力指針(ガイドライン)の見直しに正式に合意する予定だ。日米の軍事協力の範囲を自然災害からサイバーや宇宙まで全世界に拡大するガイドラインの見直しで、日本は戦争できる「普通の国家」に生まれ変わる。中国は、両国の共通の警戒対象だ。28日のオバマ大統領と安倍晋三首相の首脳会談、29日の安倍首相の米議会上下両院合同会議での演説は、絶頂の日米関係を天下に誇示する歴史的なイベントだ。日本首相として初めて米議会で演説する安倍首相が、過去の問題に対して心からの謝罪をするのかどうかは韓国の関心事であって、日米両国の主要アジェンダでは決してない。

韓国が安全保障の面では米国、経済面では中国との協力を重視するという「安米経中」態度で韓米日協力体制の強化を冷遇すれば、結果的に韓米日関係を揺さぶろうとする中国に振り回される恐れがある。カーター長官が6日、米アリゾナ州立大学での演説で、米国主導の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に対して、「(アジア)再均衡の観点で見ると、TPP妥結は私にとって空母のように重要だ」と言ったことからも、経済と安保を分けて同盟の戦略的利害関係を論じることはできない現実がうかがえる。

米国は昨年、韓米日が締結した情報を共有する取り決めを越える協定の締結を模索している。李明博(イ・ミョンバク)政府時代の2012年に推進して失敗に終わった韓日軍事情報包括保護協定のように、3ヵ国が軍事機密を共有することを念頭に置いているようだ。北朝鮮だけでなく、中国に共同で対応する意味もあり、韓国としては苦慮せざるを得ない。どの国と協力して国家と国益を守るのかが判断基準になるほかない。

外交・安保の統合性を失った断片的な対米、対中、対日外交の枠組みを越えるパラダイムの転換が必要だ。北東アジアと世界情勢を遠望して正確に分析し、地政学的な制約を越える外交戦略が切実だ。歴史問題と安保協力問題を分離することは現実的に避けられない。日本の歴史歪曲には緻密に対応するものの、経済、安保の面での協力は強化していく必要がある。韓日間の緊張が高まれば高まるほど、米国の東アジア戦略も打撃が避けられず、韓米同盟の戦略的価値を相殺しかねないためだ。米−中−日の世界戦略を読み、積極的に対処してこそ、北東アジアと韓半島を取り囲む荒波を乗り越えることができる。