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[社説]教科書の著者に北朝鮮寄りの偏った韓国史を書く権利などない

[社説]教科書の著者に北朝鮮寄りの偏った韓国史を書く権利などない

Posted April. 03, 2015 07:13,   

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高校の韓国史教科書6種の著者らが2013年11月、教育部が下した修正命令を取り消すべきだと主張して起こした訴訟で、「修正命令は正当なものだ」という判決が出た。著者らは教育部の修正命令が教科書執筆の自主権を侵害したと主張したが、ソウル行政裁判所は昨日、「誤解の余地のある表現をなくし、生徒たちに正確な情報を伝えるために修正命令の必要性が存在する」と認め、原告敗訴の判決を下した。韓国史教科書の事実歪曲や偏向的記述について、政府介入の正当性を認めた意味ある判決だ。

修正命令を受けた複数の内容は、果たして著者らが韓国の正当性を認めているのか疑わしいほど、左派偏向的なものだった。一部の教科書は、韓国政府樹立の過程について記しながら、時期的に韓国政府の樹立を北朝鮮政府の樹立前に配置した。北朝鮮は韓国政府樹立より2年6ヵ月も前に、人民委員会を組織して、実質的な政府役割を果たさせた。まず、南北分断を図ったのは、北朝鮮のほうだ。裁判所は、「このような叙述は、北朝鮮が南北分断の責任から自由だという印象を与えかねない」と、教育部の肩を持った。

北朝鮮の土地配分は農民たちに土地所有権無しに耕作権のみ与えたものであり、それさえ1958年、集団農場を作ったため、北朝鮮の農民は事実上、小作人に転落した。しかし、複数の教科書は、「無償没収、無償分配で土地改革を行った」と記し、北朝鮮農民が大きな恩恵を手にしたかのように書いた。金日成(キム・イルソン)主体思想について、北朝鮮学界の主張をそのまま載せたことについて、裁判所は、「主体思想が北朝鮮住民にどのような影響を及ぼしたかについての説明が足りない」と判断した。北朝鮮が起こした哨戒艦「天安(チョンアン)艦」沈没事件や延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件について扱いながら、誰が引き起こしたかを明記していない教科書もあった。1970年代の韓国の経済成長については、長所と短所のうち、短所のみを浮き彫りにさせたりもした。

韓国史教科書は未来世代の歴史観の形成に重要な役割を果たす。3代世襲独裁国家の北朝鮮をかばい、韓国には厳しい物差しを突きつけた教科書では、生徒たちが客観的な歴史を学ぶことなどできない。左派偏向議論に巻き込まれてきた国史学界は、今回の判決を重く受け止めなければならない。現在、使用している韓国史教科書は、出版社側が教育部の修正命令を受け入れ、修正された状態で配布された。しかし、依然として全体的には偏向的見方が目立っているという指摘が出ている。北朝鮮寄りに偏った史観を注入するために書かれた教科書で、生徒たちが歴史を勉強することは何が何でも食い止めるべきだ。