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[オピニオン]白頭山の噴火と渤海の滅亡

[オピニオン]白頭山の噴火と渤海の滅亡

Posted April. 03, 2015 07:13,   

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過去2000年間で最も大きな火山噴火は、10世紀の白頭山(ペクトゥサン)大噴火だった。たった一度の噴火で、韓半島全体を5センチの厚さで覆う火山灰を吐き出した。マグマの量がポンペイを壊滅させたヴェスヴィオ火山の噴火(79年)の50倍だった。噴火当時、25キロメートルの上空まで火山灰が吹き上がり、セメントのような「泥流」が突進して村落を襲い、半径100キロメートルが真っ黒になった。

◆渤海は926年、契丹族に陥落して滅亡したが、白頭山の噴火で消滅したという異説もある。問題は、白頭山の噴火の正確な時期が分からないという点だ。ところで先月23日、済州(チェジュ)で開かれた「韓中白頭山マグマ研究ワークショップ」で、韓国地質資源研究院地質資源分析室のホン・ワン室長が、白頭山現地の炭火木(火山灰で燃えた木化石)を分析し、噴火時期が939年だと発表した。歴史のパズルのピースが一つはめられたのだ。

◆記録上、白頭山大噴火よりも渤海滅亡が先だというが、違う可能性もある。渤海滅亡に関する記録が書かれた「遼史」は926年で、400年後に書かれた勝者の記録だ。日本の歴史では、渤海が930年代にも使節を送っていたとなっている。契丹の太祖、耶律阿保機は、渤海を征服して戻る途中で死亡した。耶律阿保機はなぜこの地をあきらめたのか。934年、渤海の皇太子、大光顕が数万人を率いて高麗(コリョ)に投降したという「高麗史」の記録はどうなっているのか。

◆このような点は、契丹による都城陥落後も渤海が一定期間存続した可能性を示す。不思議なのは、大噴火があったにもかかわらず、一つの記録もないということだ。白頭山の噴火を目撃して生き残った人はいなかっただろう。渤海の人々は、それが火山噴火とは知らず、天が下した罰程度に思ったのかもしれない。一つ確実なことは、大噴火が国家と文明を壊滅させるほど大きかったということだ。白頭山が最近数年間、火山噴火直前の兆候を示し、韓国と中国が7月に共同調査を行う。渤海を滅亡させた火山灰の大災害が起きないことを願うだけだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com



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