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[オピニオン]朴槿恵大統領の「英語弔問録」のミス

[オピニオン]朴槿恵大統領の「英語弔問録」のミス

Posted March. 31, 2015 07:26,   

한국어

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が、シンガポールの初代首相、リー・クアンユー氏の国葬に参列し、弔問録に英語で記録を残した。頭の中で整理しておいた表現かも知れないが、テレビで見ると即興で書いたように見えた。朴大統領は3つの文章を書いたが、「韓国国民は(リー氏の死に対する)すべてのシンガポール国民の悲しみを共にする」」という意味で書いた最後の文章「The Korean people join all of Singapore in mourning his loss」がぎこちない。

◆「his loss」は、シンガポール国民がリー氏を失ったのではなく、リー氏自身が何かを失ったという感じを与える。英語を日常語として使う数人に尋ねると一様にぎこちないという感想だ。失った主体はリー・クワンユーではなくシンガポール国民であるから「their loss of him」と書かなければならない。しかし、簡単にhis deathと書いたことがmournという動詞と自然に合っている。

◆英語のニュースを見ると、「リー・クワンユー氏を失ったことを悲しむ(mourn the loss of Mr. Lee Kuan Yew)」という表現が多い。図式的な英文法だけで考えると、「the loss of Mr. Lee Kuan Yew」を「his loss」に変えて使えると考えやすい。「his」のような所有代名詞は、意味上の主語にも目的語にも使われるので、強いてそう書くのなら、書けないこともない。しかし、慣用的に「loss」は死んだ人を所有代名詞で使わない。

◆朴大統領は、令嬢時代から英語が上手だった。1979年、リー氏と朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の晩餐で英語の通訳をしたほどだ。しかし、日常的な対話ではなく英作文になると、英語の専門家でない限りミスをしやすい。記録として残る弔問録に韓国の大統領のぎこちない英語表現が記入された。朴大統領が参謀のアドバイスを受けて書いたのならその参謀のミスであり、朴大統領が自ら考えて書いたのなら、自分の実力の過信だ。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com



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