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[オピニオン]プーチン大統領の政敵の疑問死

[オピニオン]プーチン大統領の政敵の疑問死

Posted March. 03, 2015 07:19,   

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英国に亡命したロシア連邦保安庁(FSB)の元職員アレクサンドル・リトビネンコ氏が2006年11月、突然死亡した。亡命後、プーチン大統領を攻撃した彼の死因は、ポロニウム210中毒だった。ロンドンのあるホテルで、放射性物質のポロニウム210が入った紅茶を飲んで死亡した。欧米の情報機関は、ロシア情報部が背後にあると推定した。

◆旧ソ連時代の反体制作家、アレクサンドル・ソルジェニーツィン氏も、毒・劇物テロの対象だった。ソ連国家保安委員会(KGB)の元職員の自伝によると、1971年、デパートのあめ売場の前で並んでいたソルジェニーツィン氏に偶然ぶつかるふりをして、彼の手首に毒薬をつけた。ソルジェニーツィン氏は全身に水ぶくれができる原因不明の病気で苦しみ、医者は病名を明らかにすることができなかった。幸い命は取りとめたが、KGBの工作目的は達成された。それは、誰も信じられないようにさせ、恐怖で怯えさせることだった。すべての人を疑い、周囲を警戒すること、これも死ぬほど恐ろしい刑罰だろう。

◆モスクワで暗殺されたプーチン大統領の政敵、ボリス・ネムツォフ氏を追悼する集会が1日、ロシアの各地で行われた。ネムツォフ氏は、エリツィン政権で副首相を務めた改革派の政治家で、プーチン政権後は野党指導者となった。最近のインタビューで、「プーチン大統領が私を殺すかもしれず、恐ろしい」と吐露した。ネムツォフ氏の突然の死は、国内外に衝撃を与えた。ロンドンで開かれた追悼式に参加したリトビネンコ氏の夫人は、ネムツォフ氏の死について、「デジャヴュのようだ」と話した。

◆「死はすべての問題を解決する」。旧ソ連の無慈悲な独裁者スターリンの言葉だ。スターリンは歴史の中に消えたが、政治目的のためにライバルを暗殺したり反対派を粛清する恐怖政治の方式は終わらなかったのか。ロシア政局の緊張はますます高まっている。野党は、クレムリンが背後の「政治的殺害でありテロだ」と主張し、与党は「陰謀説」を提起する。国際社会は、「卑劣な殺人犯に、必ず法の処罰を受けさせる」というプーチン大統領の約束を信じられずにいる。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com