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[社説]政治家の李完九首相候補は直言できるのか

[社説]政治家の李完九首相候補は直言できるのか

Posted January. 24, 2015 07:03,   

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李完九(イ・ワング)首相候補は23日、内定の第一声で、「崩れた公職規律を正し、国民・野党との意思疎通を強化する。大統領に苦言を述べ、直言できる首相になる」と明らかにした。与党よりも野党に先に出向き、「野党を国政の軸と認めて尊重する」と約束した。李氏はセウォル号政局の時、親和力とリーダーシップで野党を説得し、合意を引き出す政治力を見せた。歩んできた経歴を考えると、国政遂行能力や政界、国民との意思疎通には期待をかけることができるが、「直言首相」になれるかは未知数だ。

李氏は昨年5月に院内代表に選出された時、「大統領に苦言を申し上げる考えだ」と言ったが、これまで実践に移していない。昨年12月7日の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と与党指導部の昼食の時、大統領府文書問題で政局が混乱していた状況にもかかわらず、苦言どころか「大統領閣下」という言葉を3度も繰り返すなど、礼遇に気を遣った。李明博(イ・ミョンバク)大統領の時、世宗(セジョン)市修正案に反対して忠清南道(チュンチョンナムド)知事を辞任する気概を見せた姿とは対照的だ。このような態度なら、直言どころか朴大統領の親政体制を強化する「受身の首相」になりかねない。

李氏が政治家出身なので、国会検証と承認は通過が容易だとする見方が出ている。公職経験が多く、やり方次第では責任首相になるかも知れない。李氏が首相になれば、社会副首相と経済副首相まですべて与党代表と院内代表が務める「親朴三頭体制」になる。歩調がうまく合うなら、朴大統領の意思疎通不足を補完し、国政と政治の調和を図る最適な組み合わせになる。しかし、プライドを前面に出して力を競い合うなら、最悪の組み合わせになる危険性も同時に内包している。

現在、与党の次期大統領選候補としては、金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表が1位を守っている。忠清出身の李氏の抜擢は、金代表を牽制して親朴系を代表する大統領選候補を立てるための布石という分析もある。李氏が首相を大統領選候補の踏み台とするなら、金代表との対立だけでなく野党の牽制も激しくなるだろう。李氏が首相に承認されるなら、成功的な首相の役割を遂行するために最善を尽くすことが、自身の政治的将来のためにも望ましい。