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夫の前妻の名で生きた女性、56年ぶりに本名を取り戻す

夫の前妻の名で生きた女性、56年ぶりに本名を取り戻す

Posted December. 29, 2014 04:47,   

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「自分の名前を取り戻しに来ました」

2012年11月、ソウルのとある住民自治センターを訪れたキム・スンシム氏(仮名・89)は、6年前に死亡した「キム・マクスン」氏の住民登録番号を、自分のものとして再登録申請をした。故人が自分の名前で、住民登録をして生きてきたが、死亡したため、元通りにしたいということだった。

その背景にはこういうことがあった。1958年に再婚したキム氏の夫は、頼みごとがあると口にした。子供たちが、継母の下で成長するといじめを受けるかも知れないから、いじめを受けないように、子供らの死んだ母親の名前で生きてほしいという。キム氏は、死亡した前妻のふりをするのは気に入らなかったが、夫の心遣いに心を打たれて、他人の名で56年間を生きてきた。自分の名前は、北朝鮮から来たため、戸籍がなく、苦労しているという町の別の女性に提供した。

最近、キム氏は、自分の名を使っていた女性が06年死亡し、住民登録が抹消となっていることを知った。死ぬ前に、「本物の名前」を取り戻したくて、住民センターを訪れたが、「『キム・マクスン』という名で住民登録をした人と指紋が違う」と断られると、訴訟を起こした。

ソウル高裁行政11部(崔圭弘部長判事)は、キム氏が住民センターを相手に起こした訴訟の控訴審で、1審通りに原告勝訴の判決を下したと、28日明らかにした。裁判部は、「第3者が住民登録を盗用して、自分の指紋を登録しただけに、住民センターはキム氏の指紋を新たに登録して、住民登録証を発行すべきだ」と判断した。