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[オピニオン]権力の周辺で「鹿をさして馬となす」人々

[オピニオン]権力の周辺で「鹿をさして馬となす」人々

Posted December. 23, 2014 03:50,   

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秦の始皇帝に仕えた宦官の趙高は、始皇帝が死ぬと太子の扶蘇を殺し、幼い胡亥を皇帝に即位させた。悪賢い術策で元老重臣を排除し、最高官職である丞相になって朝廷を掌中に収めた。ある時、御前に1頭の鹿を連れてきて「馬でございます」と言った。皇帝胡亥が「何を申す。鹿ではないか」と言うと、趙高は馬だと言い張った。

◆胡亥が重臣に「あれを何だと思う。馬か、鹿か」と問うと、趙高を恐れた重臣は「馬でございます」と答えた。中には鹿だと言った者も何人かいたが、趙高が後に濡れ衣を着せて殺してしまった。その後、趙高に反対する者はいなかった。胡亥は自分の判断力を疑い、政事から離れたと、司馬遷は『史記』で書いた。

◆教授新聞が大学教授724人にアンケート調査を行って選んだ今年の四字熟語は「指鹿為馬」だ。鹿を指して馬だと言うことだ。『史記』では、上の人を愚弄するという意味で解釈しているが、白黒が逆転し事実がごまかされることを指す言葉でも使われる。事の本質に目を閉じ、あれこれ言い逃れをする権力者に対する苦言にも聞こえる。大統領府の公職紀綱秘書官室から流出したチョン・ユンフェ動向文書をめぐる権力側の対応を皮肉るようだ。十常侍だとか7人会といった言葉が大統領府の周りで流れている。この中にも、もしかして鹿を馬だと言い張る人がいるのではないか。

◆昨年、教授新聞が選んだ単語は「倒行逆施」だった。道理と正道から外れて事を無理に押し切るという意味だ。新政府発足後、期待に反して度重なる政策と人事の失敗を皮肉った言葉だ。「指鹿為馬」や「倒行逆施」には、初の女性大統領が新しいリーダーシップを示せなかったことへの失望感があらわれている。大学教授の点数が辛いと責めることはない。なぜこのように低い評価が2年連続で出たのか、大統領府は理由を考えなければならない。

崔永海(チェ・ヨンヘ)論説委員 yhchoi65@donga.com