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[社説]国家基幹施設のサイバーセキュリティ強化は口先だけ

[社説]国家基幹施設のサイバーセキュリティ強化は口先だけ

Posted December. 22, 2014 03:12,   

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「原発反対グループ会長」と自称するハッカーが21日、原子力発電所の運転用図面など韓国水力原子力(韓水原)内部資料をまたもインターネット上に流出させた。韓水原は、流出した文書は原発の安全に関係ないと主張したが、信じられない。韓水原自ら「対外秘」に分類した文書が流出したことは、原発の安全に対する重大な脅威だ。ハッカーは、25日のクリスマスから古里(コリ)1、3号機、ウォルソン2号機の運転を中止するよう要求し、さもなければ10万件の文書をさらに流出すると脅迫しており、国民の不安が強まっている。

15日から今回まで4度文書が流出する過程で明らかになった韓水原の認識と対応能力は嘆かわしい。15日、「原発反対グループ韓国支部長」と主張するブロガーが韓水原に攻撃メッセージを残した時、韓水原は、「個人ブロガーの確認されていない行動にいちいち対応できない」と放置した。2日後の17日、このブロガーは韓水原の職員1万799人の個人情報を流出させ、翌日には原発の配管設置図と主要機器の系統図を流出させた。事態が深刻化した後、韓水原は検察に捜査を依頼した。平素のセキュリティ意識がどれほど鈍いか察するに余りある。

原発で災害やテロが発生すれば、その影響は想像を絶する。電力の供給が停止する状況も深刻だが、原発がサイバー攻撃を受けたということだけでも、放射能流出の恐怖を誘発し、社会的混乱を招く。そのため、すべての国が原発を1級セキュリティ施設とし、二重三重のセキュリティ体系を設けている。

産業通商資源部が9月から11月まで韓水原のセキュリティ実態を監査した結果、ハンビット・古里原発の職員19人の電算システムのIDとパスワードが協力業者の職員に渡っていた事実が確認された。給食や廃棄物処理などの業者の職員にいちいちドアを開けるのが面倒だという理由で、彼らにIDとパスワードを渡したのだ。職員のセキュリティ意識がこの程度なので、個人用PCにあった資料がハッキングされたとしてもおかしなことではない。

ハッカーが、計画を操り上げたという理由で、運転停止要求の対象から古里2号機を除いたことから、ハッカーは原発内部の事情をよく知る反核主義者と推定される。しかし、北朝鮮のサイバーテロの可能性も排除できない。原発にサイバー攻撃が可能だということは、不安を増幅させる。昨年3月、新韓銀行や農協などの金融機関やKBSなど一部の放送局がハッキングを受けた後、政府がサイバー・セキュリティを強化すると言ってきたが、口先だけだったことが証明された。