Go to contents

卓球ボールが変わる…「プラスチックボール」は選手にとって毒か、薬か

卓球ボールが変わる…「プラスチックボール」は選手にとって毒か、薬か

Posted December. 18, 2014 03:06,   

한국어

卓球ボールに革命が起きている。第68回全国男女総合選手権大会が17日から5日間、全羅南道麗水(チョンラナムド・ヨス)のチンナム体育館で行われる。国内最高の権威を誇る大会だが、今大会が注目を集めている理由は別にある。プラスチックボールで行われる国内初の卓球大会だからだ。

▲「飛行機に乗れません」〓国際オリンピック委員会(IOC)は04年、アテネ五輪を控えて、とんでもないニュースに直面した。大会に向け、飛行機で空輸する予定だった卓球ボールが、航空会社から搭載を断られたのだ。やむを得ず船舶で輸送したため、2ヵ月近くも無駄になった。セルロイドで作られた卓球ボールは、火災の危険性が非常に高く、航空機への持込を断られたためだ。

五輪後、IOCは、国際卓球連盟(ITTF)に、卓球ボールの材質を変えるよう、強く勧告した。オリンピック種目に生き残るため、ITTFは10年、セルロイドの代わりに、一般のプラスチックボールに変えると約束した。12年からテスト期間を経て、プラスチックボールは15年から、オリンピックなど全ての国際大会で使われる。

▲競技力に大きな影響を及ぼす〓卓球界は01年、21点から11点へと競技方式を変えて以来最大の変化だと口をそろえている。特に、競技力に大きな影響を及ぼすだろうと見られている。サイズからして大きくなっている。メーカー別にやや違うものの、直系が0.5ミリほど大きくなった。従来のセルロイド製ボールは、目には見えないが、表面に微細な突起があった。しかし、プラスチックボールは、ガラス盤のようにつるつるしている。これは、ボールとラケットとの摩擦力を減らして、回転量を大幅に減らしてしまう効果を招いた。

プラスチックボールに接した選手と専門家らは、共に回転力が減少したと口をそろえている。ボールのスピードもやや遅くなっている。重さは同じだが、同じスピードでボールを飛ばすためには、打球の際により力を入れなければならないという評価が出ている。音もやや鈍くなっているという声もある。価格も2倍ほど値上がりした上、よく壊れるため、チームごとに赤信号が灯っている。

▲プラスチックボールへの適応がカギ〓ひとまず、韓国国内卓球界では、プラスチックボールへの適応に全力を傾けている。仁川(インチョン)アジア大会が終わったあと、選手らは1ヵ月間、プラスチックボールへの適応訓練に突入した。カットを主な武器にしている守り型選手には不利になったというのが、共通の見方だ。チュ・セヒョク(三星生命)は、「確かにカットする時、なかなか回転しない。かつては、50の力を入れて回転をかけていたなら、このボールではその2倍の100の力を入れなければならない」と話した。ソ・ヒョウォン(韓国馬事会)も、「従来のボールに比べ、回転力や反発力が落ちる。ボールの変化も多くなく、スピードも相当遅くなっている」と伝えた。

一方、力のある選手達からは歓迎するムードだ。フォーハンドドライブが強みのキム・ドンヒョン(エスオイル)は、「ボールの回転量がなく、攻撃の時により多くのチャンスが生じており、ラリーでも、力の強い選手のほうが有利だ」と明らかにした。