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[社説]思潮産業の遠洋漁船が沈没、またもや韓国型事故か

[社説]思潮産業の遠洋漁船が沈没、またもや韓国型事故か

Posted December. 03, 2014 06:44,   

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韓国人11人など、60人の乗組員が乗っていた思潮(サジョ)産業所属の遠洋漁船「501オリョン号」が一昨日、ロシア西ベーリング海で沈没した。現地は悪天候の上、水温もマイナス10度前後であり、多くの人命被害が懸念される。政府は、ロシア側と緊密に協力し、行方不明となった韓国人や外国人乗組員らを一人でも多く助けることができるよう、最善を尽くしてほしい。

今回の事故は、船でスケソウダラ引揚げ作業をしていたところ、気象悪化で多くの海水が漁獲物処理室に一気に押し寄せ、排水溝が漁獲物でふさがっていたことが原因で船体が傾いて起きたもの。思潮産業は、沈没原因を急激な気象悪化のせいにしている。しかし、その説明通り気象悪化のせいだけにするには、釈然としないところが多い。事故が起きた西ベーリング海は、遠洋業界では、悪天候で悪名高い場所。会社の無理な操業強硬や船舶の老朽化による故障の可能性も排除できない。

この船舶は当初、3万トンだった漁獲目標量が、4万トンと1万トンが追加され、周辺の港に避難せず、操業を強行した可能性がある。船が傾き始めてから沈没する時まで、約4時間の余裕があったのにもかかわらず、退船命令が遅れたことも疑問だ。会社側は、「退船の時期は船長が決める」と釈明したが、行方不明となった乗組員の家族らは、「本社で退船命令を適時にしなかった」という疑惑を提示している。

510オリョン号は、36年前の1978年、スペインで建造され、2010年、思潮産業が購入し、ロシアと合弁運営してきたが、今年2月以降は韓国国籍で運航されている。旅客船セウォル号より16年も古い老朽化した船舶だ。今年2月、韓国船級が安全検査を実施したが、韓国船級がセウォル号のずさんな検査で物議をかもした機関であることを考慮すれば、その信頼性はない。沈没事故の原因をきちんと究明し、責任ある人たちを問責してこそ、遠洋漁業の安全性を高めることができる。