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[社説]警察の無理な売春取締りが招いた未婚の母の死

[社説]警察の無理な売春取締りが招いた未婚の母の死

Posted November. 29, 2014 03:49,   

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未婚の母Aさん(24)が、モーテルで警察の売春取締りから逃れようとして死亡した。小学校1年生の娘がいるAさんは、17才で未婚の母になり、定職に就けず、娘を父親に預けて実家から離れたチケット喫茶で働き、毎月父親に送金していた。

売春取締りの警察官は、宣伝ビラにあった番号に電話をかけ、Aさんをモーテルと呼んだ。Aさんがシャワーを浴びている間に別の警察官も来た。Aさんは服を着る間だけ出ていくよう頼んだ。しかし、5分が過ぎてもAさんが出てこなかった。警察官が部屋に入ってみると、Aさんがモーテル6階の窓の下に倒れていた。売春禁止法は、性を売った側も買った側も処罰される。Aさんが法律違反行為をしたことは間違いないが、警察の取締りも不法なおとり捜査と見る余地がある。売春が隠れて行われ、摘発が容易でないため、警察は様々な捜査方法を使う。それでも警察官がAさんに先に電話をかけ、モーテルに来たAさんにチップまで払ったことは、捜査の範囲と見ることはできない。

売春禁止法の趣旨は、過去に集娼村で性を売る女性だけを取り締まったことから一歩進んで、性を買う男性も処罰し、売春を抜本的に撲滅するということだった。今回のように、性を買う男性はいないのに性を売る女性だけをターゲットとしたことは、摘発件数だけ上げようという取締りだ。しかも、警察が売春女性を取締りながら女性警察官が同行せず、被疑者を一人にして死なせたことは弁解の余地がない。

経済の悪化で就職が難しくなり、未婚の母だったAさんの暮らしは苦しかっただろうが、売春でない別の仕事をすることもできたのに違反行為で生計を立てたことは誤りだ。だとしても、警察がこのように死を招いた取締りをしなければならなかったのか、疑問が残る。