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[社説]「羅津・ハサン」プロジェクト、5・24措置の解除とは程遠い

[社説]「羅津・ハサン」プロジェクト、5・24措置の解除とは程遠い

Posted November. 22, 2014 03:57,   

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ロシア産の石炭4万500トンが24日、北朝鮮の羅津(ナジン)港を経て、29日に国内に初めて搬入される。韓国・北朝鮮・ロシアの3角経済協力事業として推進される「羅津・ハサン」プロジェクトの初の試験輸送であり、朴槿恵(パク・クンヘ)政府の北朝鮮政策「ユーラシア・イニシアチブ」の初の成果だ。韓国がロシアに支払う400万ドル(約40億ウォン)の石炭の代金と運送料の一部が北朝鮮に渡るため、5・24北朝鮮制裁措置が一部でも解除される意味がある。

「羅津・ハサン」プロジェクトへの韓国の参加は、昨年11月に訪韓したロシアのプーチン大統領と朴大統領の合意で実現した。東進政策を追求するロシアが、北朝鮮と設立した合作会社「ラソンコントラス」のロシア側持分を韓国企業が買い取り、ロシアと韓国、北朝鮮の物流網の連結に参加した。ロシアは昨年9月、自国のハサンと北朝鮮の羅津港をつなぐ54キロの鉄道を改善・補修し、羅津港3号埠頭の使用権を確保した。

今回の石炭搬入が、韓国・北朝鮮・ロシアの物流輸送の経済性を点検する試験搬入だとしても、現在の3国の関係を考慮すれと気まずい点が少なくない。現在、ロシアと北朝鮮は共に国際社会から孤立している。北朝鮮の崔竜海(チェ・リョンヘ)労働党書記に会ったロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は20日、北朝鮮人権問題を国際刑事裁判所(ICC)に付託する内容を含んだ国連決議案採択を批判し、北朝鮮の核問題に対しても北朝鮮の主張どおり条件なく6者協議の再開を支持した。

政府は、羅津港を利用すればウラジオストクから出発するよりも15%程のコストを節減できると主張するが、解決しなければならない課題が多い。ロシアは、羅津港埠頭の使用料と羅津〜ハサン区間の鉄道利用料を明らかにしていない。韓国が中途半端に大金を投資して参加すると、より高い運送料を支払う恐れがある。開城(ケソン)工業団地のように北朝鮮がブレーキをかけて事業が中断される事態も排除できない。

延坪島(ヨンピョンド)砲撃から明日で4年になるが、北朝鮮は何の変化も見せていない。北朝鮮が石炭の搬入を5・24措置を放棄する手順と理解すれば、挑発に対する謝罪と再発防止を取り付けることはさらに難しくなる。政府は、ロシアを介して南北間の緊張緩和へと北朝鮮を誘導するよう「羅津・ハサン」プロジェクトを戦略的に扱わなければならない。