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[社説]北朝鮮の人道に対する罪、最高責任者に対する国連の断罪が実現しなければ

[社説]北朝鮮の人道に対する罪、最高責任者に対する国連の断罪が実現しなければ

Posted November. 20, 2014 03:23,   

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北朝鮮の人権弾圧を人道に対する罪として国際刑事裁判所(ICC)に付託するよう勧告した決議案が19日、国連総会第3委員会で圧倒的多数で採択された。欧州連合(EU)など60ヵ国が共同した決議案は、「北朝鮮で数十年間、最高位層の政策によって人道に対する罪が強行されてきた」(7項)と指摘し、「最も責任のある人々を対象に効果的な制裁を加える問題を検討」(8項)することを求めた。

「金正恩(キム・ジョンウン)」と実名は取り上げなかったが、国際社会が金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)、金正恩3代の罪業に注目し、北朝鮮が「最高尊厳」と称する金正恩第1書記を国際法廷で断罪すべきだと明示したのは初めてだ。「ICC付託」の部分を除いたキューバの修正案が否決され、今回の決議案が賛成111票、反対19票、棄権55票で通過したことは、国連が北朝鮮の人権状況に憂慮する段階を越え、制裁の行動に入ったという点で意味が大きい。

北朝鮮は、金第1書記のICC付託を阻止するために、全方位的外交折衝戦を繰り広げた。決議案が出ると、国連の北朝鮮代表団は、「国際社会が対決を選択した」と主張した。北朝鮮が長距離ミサイルの発射や4度目の核実験といった挑発を実行する可能性も排除できない。国連は2005年以降、毎年北朝鮮人権決議案を採択したが、北朝鮮がこのような対応に出たのは初めてのことだ。それだけ人権問題が金第1書記にとって痛手になるという証拠だ。

北朝鮮は、崔竜海(チェ・リョンヘ)労働党秘書をロシアに送り、プーチン大統領と面談して金第1書記の親書を伝えた。しかし、国際社会で孤立した両者が会って、北朝鮮の活路が開かれるだろうか。国連が来月の総会で今回の決議案を公式に採択すれば、安全保障理事会でICC付託などについて議論されるだろう。今のところ拒否権を持つ中国とロシアが反対するという見方が多い。今回の採決でも反対票を投じた両国は、北朝鮮をかばう前に人権の普遍的価値と北朝鮮住民の苦痛を考えなければならない。人権は決して他国が干渉できない一国の内政問題と見ることはできない。

尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官は、北朝鮮の劣悪な人権状況の改善を話し合うための南北対話を提案した。

北朝鮮は、国際社会の憂慮と意志が反映された今回の決議案を慎重に受け止め、南北対話にも応じなければならない。与野党が国会に係留中の北朝鮮人権法を10年間処理していない現実は恥ずべきことだ。北朝鮮の人道に対する罪に沈黙するなら共犯も同然だ。