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[社説]選挙区改編、党利党略を排し、大きな枠組みで再編を

[社説]選挙区改編、党利党略を排し、大きな枠組みで再編を

Posted October. 31, 2014 03:04,   

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憲法裁判所が30日、国会議員選挙区間の人口差を最大3倍まで許容した公職選挙法に対して、憲法不合致の決定を下した。憲法裁判所は、「現行の選挙区の画定は平等な選挙の原則に反する」とし、「現時点で憲法が許容する選挙区別の人口偏差が2対1を超えないように変更することが妥当だ」と明らかにした。最小選挙区の人口が10万人なら、最大選挙区の人口は20万人を超えてはならないという意味だ。

憲法裁判所は、「地方自治制が定着しつつあり、国会議員の地域代表性が考慮されなければならないとしても、国民主権主義の出発点である投票価値の平等より優先されない」という点を明確にした。裁判所が、関連法の改正期間として定めた2015年12月31日までに、新しい地方区の画定が避けられなくなった。2016年に実施される第20代総選挙では、慶尚道(キョンサンド)・全羅道(チョンラド)地域を中心に、約60の選挙区を調整しなければならず、政治地勢の変化が予想される。

代議制民主主義では、国民の意思がどれほど正確に政治の意志決定に反映されるかが重要だ。都市地域住民の3票が農村地域の1票と同じということは、普通選挙の大原則である票の等価性を著しく害する。昨年5月、忠清(チュンチョン)地域の人口が建国後初めて、全羅道地域の人口を追い越し、第20代総選挙が行なわれる2016年には、忠清の人口が全羅道の人口より30万人ほど多くなるという予想が出ている。にもかかわらず、現在の忠清地域の国会議員数が25議席で、全羅道の30議席よりも5議席少ないことは問題だった。

選挙管理委員会の調査の結果、独立選挙区の下限人口数を約13万9000人とし、選挙区の人口偏差2対1基準を適用する場合、人口上限の超過選挙区が最多の地域は、京畿道(キョンギド)(16)、仁川(インチョン)(5)、ソウル、忠清南道(チュンチョンナムド)(各3)の順だ。人口密集地域であるこれらの都市の地方区の数字は増え、全羅南道(チョンラナムド)・全羅北道(チョンラプクト)、慶尚北道(キョンサンプクト)、江原道(カンウォンド)などの農村の地方区は減るほかない。

こうなれば、「手を挙げれば当選する」という慶尚道・全羅道の農村地方区の2大政党の議席数が減り、世論に敏感な首都圏の国会議員数は増える。これは、地域主義的政党体質の退潮という肯定的な効果が予想されるが、農漁村の特殊性を代弁する地域代表性の弱体化を招く恐れがある。特に、農村のいくつかの市・郡が統廃合する場合、競合市郡の候補の間に有利・不利が生じる恐れがあるため、そうなるところは既存の国会議員の選挙区を準広域単位に2〜5ずつまとめて複数の国会議員を選ぶ中・大選挙区制を導入するという議論が起こる可能性もある。この場合、慶尚道・全羅道で支配的な政党の独占を防ぎ、李貞鉉(イ・ジョンヒョン)氏のような議員が多数出現する可能性があり、地域主義の緩和に役立つだろう。

2016年の総選挙を控え、来年末までに完了しなければならない選挙区改編では、このような点を総合的に考慮する必要がある。その場しのぎや政党間・議員間の既得権維持のためのゲリマンダーを排し、国民代表性、地域代表性という選挙区制の本来の目的達成に適した未来志向的な選挙区改革が必要だ。地域代表性に向け、両院制を含む改憲議論を増幅させることもできる。いずれの場合であれ、党利党略と見せ掛けが選挙の民意を歪曲しないよう透明な議論を経て、新しい枠組みを作らなければならない。