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[オピニオン]ウーバータクシー、便利と違法の間

[オピニオン]ウーバータクシー、便利と違法の間

Posted October. 24, 2014 03:26,   

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「タクシーを30分も待つなんてイライラする」。誰でも1度は経験したはずの状況だ。30代のベンチャー起業家、トラビス・カラニックはこのような経験を事業化した。米ロサンゼルスのカリフォルニア大学コンピュータ工学科を卒業したカラニックは、運転手と乗客とをつなげるスマートフォンアプリケーション(アプリ)を開発した。最近、世界的な注目を集めている「ウーバー(uber)タクシー」だ。

◆スマホでウーバーのアプリを稼動し、自分の位置を指定すれば、乗車可能な車両の運転手の顔が表示される。そのタクシーを利用した乗客の評点も確認することができる。運転手を選択すると、5分以内に到着するというメールが届く。高級リムジンサービスのウーバーブラック、一般乗用車のウーバーX、営業用タクシーのウーバータクシーなど、種類も多様だ。乗客はスマホ一つで簡単にタクシーを利用でき、運転手は都合のいい時間にお金を稼ぐことができる。最近流行っている「共有経済」の一例ともいえる。グーグルなど米国の有名企業やベンチャーキャピタリストが我先にウーバーに投資した。ウーバーは10年のサービス開始後、わずか4年で40カ国200都市に広がり、時価総額20兆ウォンの企業へと成長した。

◆世界的な反発も激しい。まずは営業へのダメージが予想されるタクシー業界が反発に出た。各国の政府もウーバーの拡大阻止に乗り出した。免許無しに違法な営業をする「類似タクシー」は乗客の安全を保障できないということだ。事故により負傷を負ったとき、保険も適用されない。韓国でもセヌリ党の李ノグン議員が、ウーバー禁止案を発議した。ソウル市議会は違法タクシーの通報者に報奨金を与える条例を作った。

◆しかし、完全に阻止できると考える人はあまりいないようだ。ドイツ裁判所が欧州では始めてウーバーに対する営業禁止命令を下したとき、英フィナンシャル・タイムズ紙は「ドイツはこのように新しいサービスを規制しているのだから、サービス産業が発展しない」と批判した。ドイツ裁判所は先日、禁止命令を撤回した。歴史を振り返ってみると、新しい技術や商品は違法だったことが多い。革新的サービスを無条件に排除すべきではない。一方のウーバーも、従来産業との共存に努めてこそ、社会に定着することができるだろう。

シン・ヨンス論説委員 ysshin@donga.com