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青少年の自殺問題を扱った小説「心になる花」 著者・鄭道相氏の「消せない傷」

青少年の自殺問題を扱った小説「心になる花」 著者・鄭道相氏の「消せない傷」

Posted October. 17, 2014 03:25,   

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作家の鄭道相(チョン・ドサン)氏(54)は、2005年、中学生だった息子を失った。息子は短い遺書を残して自ら命を絶った。「一つの魂」だった息子の死は、消すことのできない傷として残った。2012年、青少年の自殺が相次いだ。彼は息子を失った父親としてしなければならないことがあると考えた。そうして書いた小説が最近出版された「心になる花」だ。鄭氏は記者懇談会で、「息子を失い、体験した話」と語った。

「青少年に、自分の自殺で親がどんなことを体験することになるのか、家庭がどのように崩壊するのか聞いてもらいたかった。自殺を決意する瞬間、思いとどまってほしいという切なる思いで書いた」。

主人公の少年と少女は、身近にいるような普通の少年少女だ。満ち足りた環境で暮らすが、人生の意味を見出せない少年ウギュ。母親を「オンマヌニム」と呼び、過保護に育ち、友人に憎まれる少女、ナレ。2人は自殺で命を絶ち、あの世で再会する。この世の家族と友人の姿を見て、後悔する。

鄭氏は、経典「チベット死者の書」と済州島(チェジュド)の説話「ソチョン花畑」をもとに小説を書いた。題名「心になる花」は、ソチョン花畑に咲く転生の花の一つ。骨になる花、肉になる花、血になる花、息になる花を食べて肉体を完成し、最後に「心」を作る心になる花を食べれば、人間界で生まれ変わる。

「自殺すれば、この世を再び生きなければならない刑罰である転生をすることになる。世の中を耐え抜く力が何か、子どもたちに分かってもらいたい」