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[オピニオン]鄭夢九と徐慶培

Posted October. 02, 2014 03:34,   

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アモーレパシフィックグループの徐慶培(ソ・ギョンベ)会長が、現代(ヒョンデ)自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長を抜いて、わが韓国の株長者第2位に上がった。昨年末は1株=100万ウォンだったアモーレパシフィックの株価が最近、1株=250万ウォン台まで高騰したためだ。徐会長が保有した株の価値は、先月末基準で6兆7000億ウォンあまり、鄭会長は6兆5000億ウォンだった。三星(サムスン)の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は、10兆4800億ウォンあまりと、揺ぎ無くトップの座を守った。

◆中国の女性らが最もほしがるプレゼントのトップは、雪花秀(ソルファス)やラネーズなどのアモーレ化粧品だ。景気低迷にも関わらず、同社は、四半期ごとに「アーニングサプライズ(びっくり業績)」を記録している。中国特需のためではない。徐会長は、2代目経営者だが、優れた経営能力を認められた。1990年代の経営難に見舞われ、証券や電子、建設などの非主力品目を売り、化粧品に集中した。氏はいつも、「ブランド品の無い韓国に、化粧品ブランド品を作りたい」と語った。20年ぶりに「大もうけ」をしたわけだ。

◆鄭会長が徐会長に押されたのは、ソウル三成洞(サムソンドン)の韓国電力(韓電)の敷地を、10兆5500億ウォンで購入したことが大きく影響している。韓国第2位のグループだが、多くの役員や従業員らが勤務できるだけの本社ビルすらなかった現代車は、かつてからこの敷地に目をつけてきた。韓電の入札結果が発表された日、人たちは鑑定価格の3倍を超える価格に仰天した。鄭会長は、「グループの100年大計を見据えた投資だ」と主張し、会社側は、オフィスの賃料や未来価値を考えれば、割高ではないと釈明した。

◆しかし、株式市場は冷淡だった。入札結果発表から10日間、現代車の時価総額は99兆ウォンから87兆ウォンへと12兆ウォンも下がった。「取締役会が株主権益の保護のため、適切に役割を果たしたか疑わしい」、「『コリアディスカウント』の端的事例だ」という批判が殺到した。世界の経営学界で、韓国財閥への評価は二面的だ。片方は、大株主の専横や独断による弊害が大きいという。他方では、思い切った長期的投資で、米国流の株主資本主義の限界を克服したと褒めている。鄭会長の「果敢な決定」は、どちらの主張が正しいのか、見極めるべきことだ。

申然鐏(シン・ヨンス)論説委員 ysshin@donga.com