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[社説]セウォル号の再現になるところだった遊覧船座礁

[社説]セウォル号の再現になるところだった遊覧船座礁

Posted October. 01, 2014 03:09,   

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30日午前9時頃、観光客104人と船員5人の109人を乗せた紅島(ホンド)クルーズ協業所属の遊覧船「バカンス号」が、全羅南道新安郡黒山面(チョンラナムド・シンアングン・フクサンミョン)の紅島船着き場の沖合200メートルの海上で座礁した。近くを航行していた遊覧船と漁船が救助を行い、人命被害はなかったが、セウォル号沈没事故から5ヵ月で再び大型の海上事故が起こるところだった。もし事故の地点が紅島の沖合ではなく遠海だったならどうなっていただろう。

死亡者や行方不明者はなかったが、今回も当局の対応はお粗末この上ない。座礁した遊覧船の乗客を救助したのは、100メートル近くを航行していた遊覧船「サン・フラワー号」と近くで操業していた漁船だった。海洋警察の艦艇は、救助が終わった後に現場に出動した。バカンス号は、日本で1987年に製造された船齢27年の老朽船舶だ。この船が10年間の免許を取得して運航を始めたのが、セウォル号沈没事故から1ヵ月後の5月16日。紅島の住民70人余りが、老朽したバカンス号は暗礁が多い紅島付近の運航には適していないとして、許可を出さないよう木浦(モクポ)海洋警察に嘆願したが、無視された。27年の中古旅客船を日本から買い入れ、増改築を経て定員を350人から500人に増やした過程は、セウォル号と似ている。現地の事情をよく知る住民の反対にもかかわらず、木浦海洋警察が運航免許を与えた経緯を調査する必要がある。

セウォル号の遺族と新政治民主連合が捜査権と起訴権を求めたことで、セウォル号特別法の交渉が一歩も進展できず、国会が休業中である中、海上事故がまたも起こった。老朽船舶は韓半島沿岸の各地で運航しており、日本の中古船を安値で買い入れて改造しても当局は印鑑を押した。今回の事故が沈没事故に至らなかったのは、1985年の観光遊覧船沈没事故後、住民が独自のマニュアルを作成して迅速に対応したからだった。事故が起きた直後、乗客が119と112に通報して救助が要請したが、救助システムは作動しなかった。相変わらず、当局の救助システムには穴が空いているのだ。

紅島住民の反対にもかかわらず、10年間の免許を取得できたことから、制度と法規上の欠点はそのままだ。世界的な造船強国である韓国でこのような呆れた海上事故が起こることは恥ずかしい。セウォル号沈没事故後に何が変わったのか、政府はどのような措置を取ったのか、国民は問うている。