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[社説]「中国への傾倒は誤解」、大統領演説文の取り消しは外交的失敗

[社説]「中国への傾倒は誤解」、大統領演説文の取り消しは外交的失敗

Posted September. 27, 2014 03:39,   

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朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が24日、米ニューヨークの外交シンクタンク代表懇談会で事前に配布した演説文を取り消した騒動は、単なるハプニングとして見過ごすことはできない。大統領府が現場で出入りの記者に事前に配布した大統領演説文には、「一部で韓国が中国に傾倒しているという見方があることを承知しているが、これは韓米同盟の性格をよく理解していない誤解だ。この席が一部のそのような見解を払拭する機会になることを望む」という内容が含まれていた。しかし懇談会が終わった後、大統領府は、「大統領が原稿どおりに発言しなかった」として、報道機関にこの部分を削除するよう要請した。

報道機関に事前に配布される大統領の演説文は、通常、そのまま読まれる。大統領府が削除を要請した内容は、演説文の核心に近かった。大統領の海外歴訪の時、演説文は大統領が要旨を大統領広報首席秘書官に事前に伝え、外交部と大統領外交安保首席秘書官室の参謀たちが作成し、大統領の決裁を受けて完成される。この過程で何度か修正の手続きを踏む。今回のように外交的に敏感な事案を事前配布の原稿に入れておいて、現場で削除を求めることは珍しい。

朴槿恵大統領と中国の習近平国家主席が今年、韓国と中国を相互訪問して友情を誇示した時、米政界の一部では、「朴槿恵政府の韓米同盟政策は不透明なのではないのか」と懸念を示した。これに乗じて日本は、「韓国が中国に傾倒している」という話を流し、韓米間の不信を煽った。実際、演説で削除された内容は、このような雰囲気を憂慮して韓米同盟を強調した発言だった。

朴大統領は、中国側が「朴大統領は米国の顔色をうかがっている」と不満を抱きかねないと判断し、発言を除いたのかもしれない。だからといって、敏感な外交事案を演説文に含め、懇談会が終わった後に「単なる参考資料だった」と言い逃れることは、軽く見過ごすことができない外交的失敗だ。誤解を生むかも知れない発言なら、最初から演説文に入れるべきではなかった。今回の事故が、外交部と大統領府の間で調整がうまくいかなかった結果なら、さらに問題は深刻だ。

大統領の演説とメッセージは明確でなければならない。熾烈な外交戦が繰り広げられるグローバルな舞台ではなおさらだ。大統領府は明確に説明する必要がある。